― 焔 ―
傍に居なくちゃいけない
そう思った
「どうした、悟空?」 ぼんやりと自分と同じ金色の瞳を見つめていた悟空は呼び返られた声に はっとした。 「あ・・・何でも・・・」 「ない、ことは無いだろう?」 焔はそっと悟空を抱き寄せ、耳元で囁く。 「思い出していたのか?」 悟空の体がびくりと震えた。 「・・・・・・・・・・・・・・うん、そうかも」 一瞬の沈黙の後、悟空は素直に認めた。 否定しても、焔にはわかってしまうから。 「後悔しているのか?」 自分を選んだことを。 「ううん」 それは焔から何度もされる問いかけだった。 そして悟空も同じように否定の言葉を繰り返す。 焔の傍に居ることを選んだのは自分。 誰に強制されたわけでもない。 それでも思い出さずにはいられない黄金の影。 ”ずっと傍に居たい” そう悟空が思った唯一のひと。 離れることなど考えたこともなかった。 けれど。 悟空は包まれるぬくもりに目を閉じた。 ”傍に居なくちゃいけない” そう思った。 この孤独の魂を持った、悟空と同じ禁忌の存在と忌まれ続けた焔に。 自分を求めることでそれを癒そうとする焔に。 だから、今・・・・・・・ここに居る。 悟空は焔の背に手をまわし、ぎゅっと力をいれて抱き返した。 「好き・・・・・大好きだよ、焔」 『望むもの全てを叶えてやる』 『全てから守ってやる』 そんな言葉は必要ない。 見返りなんていらない。 自分という存在を欲してくれた・・・・・それだけで満たされることができる。 そのことを知った。 だから。 「ずっと・・・・・ずっと傍に居るよ、焔・・・・・」 たとえ赤炎の影を忘れることができなくても。 たとえ深緑の影を忘れることができなくても。 たとえ黄金の影を忘れることができなくても。 今。 傍にいるのは――――――――――焔。 「悟空」 「・・・・なに?」 顔を仰向けさせられて瞳をのぞきこまれる。 黄金と深海のオッドアイ。 「傍に居ろ。ずっと・・・・・・永遠に」 命令口調でありながら何故か、そこには願いが・・・祈りが潜む。 「うん・・・・うん」 「愛している・・・悟空」 触れるだけの――――――――――誓いの口づけ。 「愛してる・・・焔」 |
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† あとがき † 何だか妙に暗くなってしまいました(T×T) やはり壁紙が黒いせいか・・・ それとも御華門の気分が下降気味だからか・・・ 焔様が悟空を手に入れてるのに不幸せそうなのは何故でしょう・・・(T×T) 悟空っ!!もっと明るく!! ・・・・・はっΣ(― 0―|||) そうか・・・悟空が暗いせいで暗いんだな(わけわかんない・爆) ・・・ということで(どういうことだよ?) これには明るい馬鹿馬鹿しいおまけ話をつける予定です♪ では、ごきげんよう(^.^)/~~~ |