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#]X 狂 気
カラン・・・・・っ
カラカラカラカラ・・・・・・カラカラカララ・・・・・・ッ
部屋の隅で動きを止めた金錮は鈍い光を放った。
「・・・・・・っ!?」 腕に抱きしめていた悟空の体からの強大な気の噴出に焔は目を瞠る。 「悟空・・・っ?」 悟空の体から黄金の気が陽炎のように立ち昇り、どんどん膨れ上がる。 闘神として他の神と比べても抜きん出ている焔がその気に圧されるほど強い・・・・・・ いや、凄まじい”気”。 「いったい・・・・・」 呆然とする焔の目の前で悟空の体がゆっくりと起き上がる。 大地色をした長髪は肩から顔へ流れ落ち、悟空の表情を隠すし、見ることはできない。 そして、覗いた耳が変化し尖っている。 耳、だけではない。 体を支える手の先・・・・・爪が鋭くのびる。 「・・・・・・・っ!」 そして。 そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 焔を見上げた悟空の瞳は・・・・・・・・・・煌く金色の光の中、縦長に伸びる瞳孔。 「・・・・・・お前は」 焔の声がしわがれている。 「お前は誰、だ?」 焔の問いかけに悟空が「にやり」と笑った。 『孫悟空』 ”悟空”の口が声無く動いた。 それを焔が理解した瞬間、悟空の顔が目前に迫っていた。 「・・・・・っぐ!」 胸部に衝撃を受けた焔は壁に叩きつけられた。 受身を取る暇もない。 ずるずるとそのまま壁伝いに体を落とす焔は、殺気を感じて我に返った。 ガゴッ! 鈍い音と共に悟空の爪が壁をえぐり取る。 それは丁度焔の顔があった場所。 パラパラと残骸の落ちる音が妙にはっきり耳に届いた。 いったい何が起きているのか? 何故、悟空が焔を襲うのか? この悟空の姿は? 焔は混乱する頭を叱咤して、すぐにその場からしりぞいた。 悟空はひと時も留まることなく焔に攻撃をしつづける。 焔もまた、避け続ける。 はじめこそ、顔に笑みさえ浮かべて楽しげに手足を繰り出していた悟空は自分の 攻撃がなかなか当たらないことに焦れてきた。 目が細くすがめられ、ますます攻撃が激しくなる。 応戦できれば・・・・・できるものなら良かった。 だが、姿が多少変化しようと焔にとって目の前の存在は「悟空」であり、「悟空」である 限り、焔には攻撃できようはずも無かった。 そして、永遠に攻防は続かない。 悟空は散らばる壁の残骸に一瞬気をとられた焔を見逃さなかった。 「「・・・・・・・・・っ!!」」 次に来る、衝撃と痛みに焔が息を呑み、悟空が気を吐いた。 ――――――だが、それはいくら待てど訪れなかった。 その代わりに・・・・・・・。 「・・・っほむ、ら・・・・・・・・っ」 目の前の悟空は焔を貫こうとした自分の右腕に、己の左手を突き刺していた。 ポタ。 「・・・・悟空っ!?」 「・・・・だ、め・・・・・っ・・・オレに・・・近づいた・・・ら・・・っ・・・・っ」 変化したままの姿で悟空が焔に眉を寄せ苦しげに告げる。 覗き込んだ金色の瞳は明滅を繰り返し、額から脂汗がにじみでる。 自由にならない体を何とか意思の力で保っている・・・・そんな姿だった。 ・・ポタ。 「悟空・・・・っ!?」 「だめ・・・・だった、ら・・・っ・・・・何か・・・わかんないけど・・・っ・・・・・すっげー・・・・壊したく て壊したくて・・・・・っ・・・壊したくない・・のに・・・っ!」 悟空の右腕からは鮮血が溢れ、床を打つ。 瞳からは大粒の涙が流れ出していた。 「悟空」 悟空の痛々しい様子に焔はまるで自分が傷つけられたかのように感じた。 「・・・・ごめん・・・っ」 「・・・悟空?」 謝る悟空の言葉の意味がわからず焔は問い返す。 「・・・忘れて・・・・・・・・・・ごめん・・・・っ」 「・・・・・っ!?悟空!お前・・・・っ」 俺を思い出したのか?と我を忘れて悟空に詰め寄った焔は悟空に突き飛ばされた。 「・・・だ、め・・・・っ・・・押さえ・・・・・・られ、・・・・・・・・ないぃ・・・っ・・・・・・・!!」 「悟空っ!!!」 |
† あとがき †
・・・・・これも一種の修羅場でしょうか?(笑)
それにしても比翼・・・どんどん痛さを増してきますね・・・・
・・・・でも実はもっと切ない展開になる予定(・・・は未定/爆)
でも、あと少しで第一部終了の予定です♪
とは言ってもほとんど完結しないまま第二部に続く予定ですが(分ける意味なし!/涙)
ちょっとした時系列の問題で・・・・まぁ、それは後々ということで。
では、次回#]Yにて!