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#]W 解 放
「悟空・・・」 焔は寝台に横たわる意識なき姿に呼びかけた。 大地色の髪はあのころと褪せることなく、焔の指に優しい感触をかえす。 あどけない寝顔は焔に全ては夢では無いかと錯覚させるほど。 「悟空・・・っ」 けれどそれが夢では無いことは己に架せられた鎖と悟空の額の金錮が訴える。 それでも。 このひと時、悟空は焔の・・・・焔だけのものだった。 「悟空・・・・悟空・・・・愛している」 引き寄せ、抱きしめた体に涙しそうになった。 『焔っ!大丈夫っ!?』 紫鴛につれられて現れた悟空が焔を見つけての第一声はそれだった。 「駄目じゃんっ!ちゃんと寝てないとっ!!」 すがりつく悟空の肩を撫でながら、いったい何と悟空に告げたのかと紫鴛へと視線を 向けると相手は無言で一礼して部屋を後にした。 「ほら!」 一生懸命に焔を寝台へ寝かせようとする悟空に焔は真実を告げる。 「悟空・・・・確かに俺は怪我はしたが寝ているほどでは無いぞ?」 「え・・・ホント?」 「ああ、怪我といってもかすり傷のようなものだ」 そう言って焔は包帯を巻いた右腕を悟空の前に差し出した。 「・・・大丈夫?」 「ああ、この程度の傷などすぐに治る」 「良かったぁ・・・」 安堵した悟空は心からうれしそうに笑った。 「・・・・心配してくれたのか?」 「当たり前だろっ!」 心外だっ!と頬を膨らませた悟空に焔は自嘲の笑みを浮かべた。 「・・・・俺などそのまま死ねばいいと、周りの奴らはそう思っているだろうからな」 「そんな・・・・そんなの酷いっ!オレがぶっ飛ばしてやるっ!」 「いいんだ、悟空。お前がそう思っていてくれるというそれだけ俺は満足だ」 「だって」 悟空は焔を必死に見上げる。 「だって・・・・焔はオレの友達なのにっ!!」 その言葉に。 焔の顔が泣きそうにゆがんだ。 だが、悟空にその顔は見えなかった。 何故ならば。 その瞬間、焔が悟空を抱きしめていたから。 「・・・ほむら?」 「悟空・・・」 (お前にとって俺は”友達”としか思われないのか?) ――――― 愛シテイル ――― 愛シテ・・・イル 「・・・・・して、る・・・・」 焔の胸の内に嵐が起こる。 「・・・・え?なに?」 あどけない顔で焔の言葉を聞き返す悟空。 「・・・放さない」 「え?」 (もう・・・・二度とこの手を放しはしない!!) 「悟空」 「何、焔?」 今、一度この手に抱いた存在を焔は手放す気は無かった。 ・・・・・・・・なれなかった。 「悟空・・・」 焔は意識の無い悟空の額にそっと手をのばす。 ビシィ!! 金錮を触れた途端に焔の指に衝撃が伝わる。 それでも、止めず焔は金錮に触れる。 (たとえ・・・・・・たとえこの手が吹き飛ぼうと・・・・・) 「悟空・・・・っ!」 カツン・・・・・・・・・ッ・・・・・・・・・ッ 床に落ちた金錮が冷たく響いた。 |
† あとがき †
また妙なところで・・・(笑)
イライラ金蝉を出せずに残念〜〜!!(笑)
ま、次回です。忘れなければ(おいっ)
ご拝読ありがとうございました(>_<)b