*10*
- 光 闇 -
| 光の中で闇は存在できず 闇の中で光は存在できない 光⇔闇 それは決して相容れないもの |
闇が焔を取り巻いていく。 「焔っっ!!」 「ダメだっ!悟空!近寄るなっ!」 焔は自分でもいったい何が起こっているのか、掴みかねないまま近寄ってくる悟空を 押し留めた。 ・・・悟空を巻き込むわけにはいかない。 「・・・いったい何が・・・」 紫鴛が予想外の事態に顔色を変える。 この暗闇を破るための力を集めたまでは良かった。 だが・・・闇はその力を蝕み始めている。焔ごと。 闇の中の・・・更に濃厚な闇が焔の身を覆いつくし、焔はなす術なく飲み込まれていく。 「・・・何故・・・」 何故、こんなことに。 全員の力でこの闇は打ち砕けるはずだった。 それなのに、何故? それはこの場に居る、全員の疑問だった・・・・・・・・・悟空を除く。 「闇は闇。影では無い」 その場に不釣合いな、冷静な声。 「・・・・・・・っ!?」 闇に映る、悟空の金色の瞳の瞳孔が縦長に変わっていた。 「ここは闇の牢。力で打ち崩すことは出来ぬ」 「・・・・悟空?」 「斎天大聖・・」 「我は、そのどちらでもあるもの。悟空と呼ばれるものでもあり、斎天大聖と呼ばれるもの でもある。違いは、無い」 「オレは、悟空だけど斎天大聖なんだ。一緒だよ」 「悟空が本能で語れば」 「斎天大聖は理性で語る」 『臨機応変、というものだ』 一つの口から、余韻を変えて紡ぎ出される言葉はその場を静かに満たしていく。 「・・・・・・・・・っっ!!」 その静かな場に焔のうめき声が響く。 「早く!斎天」 悟空の焦る声。 「わかっている、悟空」 斎天大聖はそれをなだめるように囁くと焔へとゆっくりと近づく。 「来る・・・な・・っ・・・悟空」 焔は朦朧となる意識の中で、必死に悟空の身だけを案じる。 「焔・・・っ」 「大丈夫だ、我に闇はきかぬ」 そう言うと悟空=斎天大聖は、焔に向かって手をかざした。 「闇よ、我が元に集い、従え」 焔を蝕んでいた闇が、斎天大聖の言葉に従い手に集まってくる。 「闇は闇に消え、光は光に消える。我は全てを司る者」 全ての闇が悟空の手に消え、闇の牢は元の姿を取り戻す。 そのまま、悟空の身体は力を失い・・・背後に倒れこんだ。 「・・・悟空っ!!」 視界の先で、焔が必死の形相を浮かべて駆け寄ってくる。 (・・・良かった、焔。無事で・・・・) そのまま、ぷつりと意識は途絶えた。 |
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■あとがき■
9と10は合体させても良かったですね・・・短い短い(苦笑)
闇の中は実際の視覚がきかないもので
なかなか書きにくい設定ではございます
・・・・と言い訳(笑)