第二部
*7*

― 宵待 ―
















「行きましたね」
「・・・・ああ」
 獄界に通じる門の前で、悟空が姿を消した後もずっと佇んでいた天蓬と金蝉。
 『行ってきます!』そう言った悟空の笑顔がいつまでも消えずに残っている。

「本当に良かったんですか、行かせて」
「・・・仕方がないだろう。あいつがそうしたいということを止める権利は誰にもない」
「僕は止めたかったですけどね・・・でも金蝉じゃないですけど、仕方がありませんね。可愛い悟空の
 決意をくじくようなことはしたくありませんから」
「・・・ふん」
 金蝉は身を翻す。
 その視線の先には呆然と立ち尽くす神々がいた。

「・・・・・・とっとと仕事に戻れよ」
「そうですね、保身ばかり考えていると足元を掬われますよ♪」
 そのまま二人は脇を通りすぎる。

「これからどうするつもりですか?」
「・・・お前には関係ないだろうが」
「悟空が戻ってきたときのための根回しをするなら手伝いますよ、と言いたかったんですがね」
「・・・・余計な世話だ」
 否定しないところを見ると天蓬の言ったことは的を射ていたらしい。
「本当に素直じゃありませんねぇ」

















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『ねぇ、焔』
『どうした?』
『どうしてオレは生まれてきたんだろう?』
『・・・・いきなり何だ』
 遊んでいた子供達。
 太陽が沈むころ、親が向かえにきて手をつないで帰って行った。
 悟空だけぽつんと・・・・取り残されて。




『・・・・俺に会うためだろ』
『・・・え』
『何だ、不満か?』
『!ううんっ!そっかぁ、焔に会うためか〜・・へへっ』
『そして、俺はお前に会うためにな』
 互いに出会うために。
 二人で一つになるために。









『お前は優しいな』
『オレが?焔のほうが優しいよ!』
『そんなことを言われたのは初めてだ』
『じゃあ、オレだけが知ってるんだ!焔がすっごく優しくてカッコイイてこと!』
『・・・・褒めても夕食は増やさんぞ』
『ぶ〜〜〜っ!!』
 









 焔・・・・。
 焔・・・・・・・・・・・・会いたい・・・・・・・・・・・・














 闇の中を歩く。
 進んでいるのか、留まっているのか。
 どこをどう進んでいるのかわからない。

 それでも悟空にはわかる。
 きっと焔はこっちに居る・・・・・それだけは。
 それが二人の繋がり。

「焔・・・無茶してないといいけど・・・」
 
 知っている。

 本当は焔が寂しがり屋なんだって。
 誰かが傍に居て支えてあげないとダメなんだって。

 そして
 自分も。
 焔に傍に居て欲しいんだって。





「・・・あと少しだからな!」

 己に気合を入れた。



























←*6*    *8*→

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◆あとがき◆

ちょっと金蝉サイドを書いてみました♪
次・・・か次の次くらいには悟空と焔は
再会できる・・・・・かも。(おいっ)


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