※かなりアダルトですので、その手の表現に嫌悪感を示される方はご注意ください。(・・・ホントにな・・)
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(十一夜)
「・・・・・・」 日吉は畳の上に座ったまま、手持ち無沙汰で一人、手酌で酒を飲む信長を見つめていた。 いつものように訪れた信長。 いつもと違ったのは・・・難しい顔で一言も口を聞かないこと。 無言で酒を・・・下戸なのに、酌を重ねていること。 「・・・・・あの」 「サル」 溜まり兼ねた日吉が口を開こうとすると、信長がやっと声をかけてきた。 それにほっとする。 「相変わらず、サルだな」 「な・・・・っ!」 やっと口を開いたかと思えばこの暴言。 信長らしいと言えば、らしいが久しぶりにやって来てこれはないだろう。 「・・・・・だが」 ことり、と杯を置く。 「お前は並のサルじゃねぇよな。いったい何人の男を誑かした?何人の男を迷わせた? お前の言葉に一喜一憂する様子を見るのはさぞ楽しかっただろうよ」 「!?・・・・そ、ん・・・な・・・・・」 信長の辛らつな言葉が日吉の体中に突き刺さる。 違う、と。 そんなことなどしていない。 そう強く思う反面、日吉は思い出す。 秀吉のことを。 信玄のことを。 五右衛門のことを。 光秀のことを。 ・・・・・・・・・・・・・・信長のことを。 果たして自分は本当にはっきりと信長の言葉を否定できる立場に居るのだろうか。 遊女にはなれないと思っていた。 客を騙すような・・あしらうような真似など死んでも出来ないと思っていた。 けれど。 結果はどうだ? 煮え切らない返事ばかりをかえす自分に男たちはここへと通う。 それは・・・・・・・・・・・・・ 誑かしたというに、十分な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 こと、だ。 沈黙が痛い。 どこからか、とさっと積もっていた雪が落ちる音がして、びくりと身を震わせると・・・・・・ そこには思いのほか間近に信長の顔があった。 酒気を帯びた息が鼻をつく。 酒に弱い日吉はそれだけでくらくらするようだ。 重い着物で幾重にも身を包み、暖をとっているというのに剥き出しの手足は冷たくて、 心臓が早鐘を打つ。 これは。 緊張。 「俺は、言ったな?」 信長の口元が動く、ただそれを見つめた。 「・・・・・」 「『自分を好いてもいない女を無理やり抱く趣味はない』・・・そう言ったな?覚えているか?」 「・・・・・・・・は・・い」 笑っているのに怒っている・・・そんな表情で信長は日吉の顔を掴み、上向かせた。 緊張のために蒼白になった顔と唇。 わずかに震える日吉の感触が手から信長に伝わる。 それは小動物をいたぶるような心持を信長に持たせ、嗜虐欲が募る。 ごくり、と喉が動く。 いけない。 いけない。 ココニイテハイケナイ。 警鐘が鳴る。 それでも信長の目、百獣の王が獲物を仕留めるような目に日吉は身動きならない。 「・・・・のぶなが、さ・・ま・・・っ」 「だが」 にやり、と笑う。 それは邪悪に楽しそうに。 「お前にそれは必要ねぇよな?何しろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 聞イテハイケナイ! 聞クナ!! ヤ・・・・メ・・・・テ・・・・・ッッッ!!!!! 「半陰陽なんだからな」 心臓が止まりそうだった。 「どう・・・し、て・・・・・」 ナゼシッテイル・・・・・? ジブンノ秘密ヲ・・・・・? 日吉は茫然自失の態で、力の入らない腕で信長にすがる。 目の前が真っ暗で。 ただ、頭の裏でガンガンと頭痛が広がる。 衝撃だった。 自分の体が信長に組み敷かれていることにも気づかないほどに。 「サル、俺は人形を・・・抱く気はねぇ。だからきちんと目を開けて俺を見ろ」 ぼんやりと耳に響く声。 それは。 幼い、遠い日の記憶を刺激する。 『馬鹿サル!男だ?女だ?この戦国の世界でそんな違いなんぞ何の意味もねぇっ! あるのはいかに生き、いかに死ぬかだ。それが全てだ!』 「てめぇはいやに、自分の体を嫌っていたな。男でもなく、女でもない・・・そんな自分の体を。 だが俺はお前の体は男であり、女でもある体だと思っていた。お前以外には誰も持ちえない」 『奇跡の体だ』 日吉の目に光が小さく灯る。 「・・・・・吉、ほうし・・・・さま・・・・・・・?」 それは幼い記憶。 殴られて。 蹴られて。 引きずられて。 けれど。 唯一、楽しかった―――――――――幼い記憶。 「やっと思い出したか。だからお前はサルなんだよ」 「あ・・・・」 繋がっていく、全てが。 「勝手に姿を消しやがって、漸く見つければこんな場所にいやがる。しかも俺のことなんか すっかり忘れて気づきもしねぇ。腹が立つのも当然だろうが」 「え・・・だって・・・・それは・・・その!!吉法師さまはお小さかったし、・・・主家の若様だなんて 言ってくださってなかったしっ、それに・・・・っ」 「俺は、変わったか?」 静かな眼差しで日吉に問い掛ける信長は、寂しげにさえ見える。 きっと自分の知らない間に、信長には色々なことがあったのだ。 嬉しいことも。悲しいことも。楽しいことも。つらいことも。ままならないことも。 だが、それらがあってこその今の『信長』。 しかし、日吉は一つだけ。 昔と変わらないものを信長の中に見つけていた。 それは。 「・・・・いい、え・・・・・・吉法師さま・・いえ、信長様は」 日吉は自分の上に居る信長の顔を見て笑う。 優しい、無邪気な笑顔で。 「昔と変わらず、優しい、です」 「・・・・そうか」 「お前を抱く、いいな?」 「・・・・・・・・はい」 高価な硝子窓の外にちらちらと白い雪が舞う。 美しい、純白の、雪。 さらさらという音は、雪の降る音か? それとも衣擦れの音なのか? 「信長さま・・・」 「日吉。全て、俺に委ねろ。お前の全ては俺のものだ」 「はい」 誓うように、額に接吻される。 柔らかい感触は、まるで溶けて消えてしまう雪のよう。 「信長さま・・んっ」 唇への接吻は熱く熱く・・・激しく燃え上がる炎のよう。 口づけだけですでに、ぼんやりとなりつつ日吉の着物を信長は手馴れた様子で剥いていく。 一枚、一枚。 ずっと、奥で怯えていた日吉の心を露にするために。 「日吉・・・」 滑らかな肌の感触と、鼻腔をくすぐる微かな香の匂い。 真っ赤な襦袢と肌の白さが対比して・・・・・・・・ 「・・・あ・・・信長、さまっ」 胸の膨らみに手をあてられて、日吉の体が震えた。 そのまま信長の指が胸を愛撫し、桃色の突起がぴくりと立ち上がりはじめる。 それに舌を這わせ、吸い上げると日吉はいやいやっと頭を振り、耐えられないとばかりに 涙をこぼした。 「あ!・・・・・・ぁ・・・・・」 日吉にとっては何もかもが未知の感覚で・・・・恐怖なのか、喜びなのか・・・とまどうばかりで わけがわからない。 そんな日吉を満足そうに見つめると、信長は留めることなく愛撫を続ける。 反らされた背筋にすっと指を走らせ、すでに用を足していない着物を剥ぎ取ると、ぐっと 日吉の足の間に体をすすめた。 「っ!?信長さまっ!」 「どうした?」 信長の眼前。 露になった下肢を必死に隠そうとするが、信長の体があってままならない。 あまりの羞恥にせめて・・・とばかりに自由になる両手で顔を覆った。 「隠すな、全てを委ねろと言っただろう?」 だが、それも信長に窘められる。 「・・・・・は、い・・・・」 信長の言葉に日吉はおずおずと手をはなす。 それでも・・・目は閉じたまま。 「日吉」 「・・・・・・信長、さま」 「お前を抱いているのは誰だ?」 「信長さま、です・・・」 「本当にそうか?」 「え・・・」 「ちゃんと目を開け。閉じていると・・・・・騙されるぞ?」 そんなわけがない。 それでも日吉はわずかな不安にそっと目をあける。 その先にあったのは。 信長の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・笑顔。 「・・・・・・っひぅっ!」 秘所にて勃ちあがる男の徴を握りこまれて日吉は悲鳴をあげた。 「ああ、まだ皮も剥けてねぇな・・・・」 「の・・ぶなが、さま・・っ」 「多少、傷むかもしれんが我慢しろよ」 そう言うと、信長の指が先端を擦りあげ・・・・揉みしだいた。 「・・・・っっ!!!」 敷布団を掴む、日吉の指が白くなる。 息を詰め、耐える様子は酷く信長の興を誘った。 剥けたばかりの充血したそれを、口に含む。 「・・・・・あ・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・っは・・・・・っんっ・・・・だ、め・・・・ぇ・・です・・・っ」 「何がだ?」 含んだままの信長の声が篭もる。 「わかんない・・・ですけどっ・・・んぁ・・・・変、です・・・っ」 「くくっ・・・・『イイ』て言えよ。こういう時はな」 「・・・・・い、い・・・・・・?」 熱いものが体を駆け巡り、今にも爆発しそうな・・・・・・衝動。 それが、信長に初めて教え込まれる『快楽』なのだと。 日吉は気づいているだろうか? 信長は日吉のものを口から取り出すと攻め立てるのを指にかえ、日吉の上に多いかぶさると 初めての『気』をする日吉の顔をまじまじと見つめた。 「日吉・・・」 耳元で囁かれる、甘い声。吐息までもが熱い。 「のぶ、なが・・・さまっ・・・!」 その声を聞きながら、日吉は果てた。 きゅっ、と眉をしかめ・・・小さく叫ぶように開いた口から嬌声が漏れる。 涙まじりに崩れた顔は、酷く艶やかで・・・信長を誘った。 小さな体、全身で荒い呼吸を繰り返し、玉の汗を浮かび上がらせる。 とろんとした・・・瞳が信長を見つめる。 「入れるぞ」 何を・・・・・・・? 問う前に、愛撫でしとどに濡れた膣へと固く、熱い固まりが突き入れられた。 「・・・・・・・・っ・・・・・・・っ!!!」 びくり、体を跳ねらせた日吉は瞬間、声も出ない。 異物への拒絶と。 痛みと。 嘔吐感。 「・・・・・あぅ・・・っやぁ・・・っっ」 涙が溢れ出して止まらない。 頭の中はぐちゃぐちゃで。 体は信長に容赦なく揺すぶられる。 ・・・・・・・・自分は壊れるかもしれない。 どこかで他人事のように感じたとき。 脳天を突き抜けたのは。 痛みでも。 苦しみでも。 絶望でもなく。 快楽と。 喜び。 「・・・・・・・あぁ・・・・っっ!!!」 全てに満たされた。 |
<十二夜>
<十夜>
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※あとがき※
次で終わらせようとしたら凄く長くなりました(涙)
・・・普通なら2つくらいに分けるところですが
それって生殺しだし(何がだ/笑)
『やっぱり相手は殿か・・・』
さんざん迷いましたがやはり最後は決めていただきました(笑)