@ 弐 @
7、8、10班とガマ吉・・ならぬ吉次郎は任務にとりかかった。 今回の任務のテーマは・・・ 『忍は忍らしく!』 これだけ聞くと全くの意味不明だ。 当然下忍の皆も『はぁ?』と顔をかしげる。 「つまりさ〜今日の任務は尾行てわけなんだよ」 「何を尾行するんだよ」 説明足らずなカカシの説明にサスケがすかさず突っ込む。 「ターゲットは俺たちだ」 アスマが親指で自分を指す。 つまり・・・。 「先生たちっ!?」 「そんなの無理ですっ!」 上忍であるアスマたちを下忍なりたての自分たちが尾行など出来るわけがない。 各所から文句の声があがった。 「まぁまぁ。お聞きよ。別に鬼ごっこをしようってわけじゃないから。あたしたちは 三人別々に普通に里を歩く。それをそれぞれのチームに分かれて尾行する」 「チーム?」 「そ、せっかく三班合同だからね〜。くじ引きでも何でもいいから適当に分かれて 尾行開始。どのチームが誰を尾行するからはそっちで決めること〜」 「俺たちは適当に里をうろつくからな、お前らは見つけて尾行しろ。ゲームの終わり はもう一度この場所に戻ってきた時点。ただし尾行しているターゲットに後ろを 取られた場合はそこでゲームオーバーだ」 「面白そうだってば!」 すかさずナルトがこぶしを握り締める。 その目がきらり、と不気味な光を帯びカカシとアスマの背筋に冷たいものが 流れた。 「ドベが。ヘマするなよ」 「何だとっ!」 「喧嘩するんじゃないよ。私たちは行くからさっさとチーム決めて尾行開始するのよ」 「「「「はいっ!!」」」」 返事だけはすこぶる良い下忍たち。 早速チーム分けを開始した。 「あたしはサスケ君と〜vv」 「何いってんの、サクラ!あんたはいつもサスケ君と同じなんだから別に決まってる でしょっ!」 「そんなの関係ないわっ!」 ぬぅぅ、と火花が散る。 「・・・めんどくせー、でどうするよ」 そんな二人を見ながらシカマルが話をすすめる。 「わしはナルトと一緒じゃっ!」 当然だ、とばかりに本来全くの部外者であるガマ吉が言い張った。 男性人から突き刺さる殺気も何のその。 「俺は別に誰でもいいってば!」 「はぁ、俺もナルトと行くか〜」 どさくさ紛れにシカマルもナルトの傍に立った。 「・・・・・・・」 シノも無言でナルトの傍に寄る。 これでナルトチームは決定だ。 後は残ったキバとチョウジとヒナタ。 甚だしく不本意ながらもサスケはサクラとイノとチームを組むことになった。 「誰を尾行する?」 「カカシ先生がいいってば!」 人身御供はカカシ。これ決定。 ナルトの中では不動だ。誰にも譲れない。 ほかのチームも一番厄介そうなカカシを取ってくれるのは願ったり叶ったりなので 文句は出なかった。 そして、尾行を始めるとナルトの口調ががらりと変わる。 「カカシの奴を発見したら罠しかけるぞ」 「・・・・・めんどくせー」 「・・・・・」 「カカシというと覆面の男じゃな」 「とりあえず変化で姿と気配を変えろよ。くっ、久々に楽しめそうだな・・・」 「「・・・・」」 忍び笑うナルトはかなり恐ろしい。 シカマルとシノは思わずカカシに同情した。 だが、所詮は二人ともナルト命。嬉々として計画を進めるナルトに加担する。 「ところで、ガマ吉。ガマブン太は?」 「オヤジのことなんか俺が知るかぁ」 憤懣やるかたなし、とガマ吉は眉をしかめる。 「・・・・なるほど。喧嘩して家出してきたのか」 「「・・・わかりやすい奴」」 「うるさいのぅっ!だいたいオヤジの奴が悪いんじゃ!わしももう一人前じゃいうのに ちっとも遊びに出れんっ!退屈なんじゃっ!」 ガマ吉、そういうお年頃らしい。 「そんなの仕方ないだろ?お前こ〜んなちっこいんだしさ、チャクラの量も少ない だろ?いくらあいつでも死にに行けとは言えねぇだろうさ」 「「・・・・ちっこい??」」 シカマルとシノがガマ吉を見る。 どう見てもナルトよりは背が高い。 「なんじゃとっ!俺が弱いっちゅうんかっ!?」 「そうだろ。だってドベの俺に助けられるくらいだからな」 「あ。あれは・・っ!」 素のナルトは辛辣で容赦がない。 「そ・・・そこまで言うんなら俺の実力を見せてやらぁ!」 ガマ吉は力こぶを作って言い放つ。 「ああ、見せてもらうおうか。それでうまくいったらガマブン太に進言してやらないでも ないぜ?もう一人前だ、てな」 にやりと含みありげに笑うナルトにガマ吉はますますやる気を募らせる。 しかし、その笑いに底知れぬものを感じたシカマルとシノは正体不明のナルトの いいように操られているとしか思えない吉次郎と名乗った人物に同情を禁じえ ないのだった。 そして尾行開始? |