親愛なるフロド――――
こちらは元気にしている。君はどうだろうか?
祝いの席に君の姿が無かったことは非常に寂しく思っていたが、会議とあっては仕方ない。
君が庄長に選ばれたことはレゴラスから聞き知っていたからね。
私もシャイアへ遊びに行きたいところなのだが、怖い執政殿がなかなか許してくれない。
レゴラスなど気ままに世界中を旅しているのに不公平だと思わないか?
それが王の役目なのだからと言われればそれまでだが、王にだって休みが欲しいと最近強く思う。
もし休みが、少しでもいい与えられるならば、すぐにでも君に会いに行き、日々の徒然ごとを語りたい。
君の近況、私の近況をサムの手料理に舌鼓を打ちながら、夜はビールを片手に。
きっと君ならば、私を「王」としてではなく、旅の仲間アラゴルンとして迎えいれてくれるだろう。
フロド。
君は覚えているだろうか、あの誓いを。
私はいつまでもそれを信じ、その日が一刻も早く来たらんことを祈っている。
いつまでも、ひたすらに。
では、フロド。
この手紙はレゴラスに渡し、届けてもらうことにする。
このエルフはいつも暇を持て余している、これからもどんどん使ってやるといい。
元気で。
アラゴルン
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