※桃花歴乱を読まれてから読んで下さい






 今日は焔はお仕事が休みで、朝からずっと一緒に居た。
 そんな風に過ごせることが最近は少なくて、嬉しさのあまりオレはずっと焔の
 傍にいて離れなかった。

「どうした、悟空?今日は一段と子供のようだな」
「・・だって。焔、最近お仕事が忙しくてあんまり家に居てくれなかったじゃん」
 すねた口調で言うと大きな手がオレの髪を撫でる。
 ちょっとくすぐったいけど・・・すごく気持ちがいい。
「そうか、寂しい思いをさせてすまなかったな」
 顎に手をかけられ、上向けられたオレに焔がキスをした。
 夜とは違う、触れるだけのキス。
 ・・・・だけど、すごく照れる。
「・・・・誤魔化そうとしたってダメなんだからな!」
 きっと顔が真っ赤になっている。
 ・・・そんな顔で言っても全然説得力が無いのはわかってんだけど・・・・悔しいじゃん。
 案の定、焔はくすくすと笑い・・・オレを抱きしめた。


「それでは・・・どうすれば許してくれるんだ?」
 耳元に響いたのは低く艶のある声。
 背筋がぞくっと震えた。
「・・・・・傍に居て」
 オレは伏せていた顔をあげ、焔を見つめる。
「今日は・・・ずっと傍に居てよ」
 ずっと焔を感じていたかった。


「・・ああ、喜んで。俺の悟空」
 それが焔の返事だった。











 ・・・・だけど。

「悟空、違うだろ?ここの式はこちらへ移行して・・・・こう、符号が変化するんだ」
「えー・・うーん・・・」
 どうして数学の勉強なんかしてるんだろう・・・・。

 確かにオレは焔と結婚するということで、高校を中退した。
 オレを育ててくれた金蝉とか天ちゃんとか・・すっげぇ反対したけど・・・だってオレ、
 もともと勉強って好きじゃなかったし・・・一日中、高校になんて通ってたら家のこと
 とか出来ないじゃん?
 ・・・オレ、不器用で本当に何も出来ないけど・・・だけど。
 焔が仕事から帰って、気持ちよく過ごすことが出来る家にしたかった。
 だから、家事は頑張るって決めてるんだ。
 だけど、焔はオレにせめて高校卒業くらいの勉強はできるようにさせたいらしくて
 時間を作ってはこうして勉強会になる。
 ・・・・・勉強、嫌いなのに。
 ・・・でも、焔が傍に居るのは嬉しい。

 いつかオレが・・・『もう、勉強なんていいよ。どーせよくわかんないし・・・それに
 オレは焔の・・その・・・奥さん・・・だから必要ないだろ?』て言ったら、すごく
 悲しそうな顔をした。
 それを見たオレの胸がずきんって痛んで・・・焔にそんな顔をさせたことを後悔した。
 だから、それ以来・・・・嫌だけど、頑張ってる。
 
 だけど・・・・・・・・・・・・だけど!!
 今日くらいしなくてもいいよなっ??

「どうした、悟空?」
「うー・・・今日、焔お休みなんだからもっと別なことしようよ・・」
 ぶす〜と机と仲良くなったオレに焔が「仕方ないな」と呟く。
 ・・・・もしかして、悲しい顔させた・・・・・?

 不安になって目線だけあげると・・・・・・そこには困ったように笑う焔。
 ・・・・・何を困ってるんだろう????

「困ったな・・・・これでも勉強で気を紛らわせてるんだがな」
「???」
 ますますわからない。
 気を紛らわすって??何で???

 疑問符を飛ばすオレに、焔の手がのびて・・・・引き寄せられた。

「こうして触れて・・・触れるとキスがしたくなる」
 焔は言葉どおりオレにキスする。
「そうしてキスをすると・・・・」
 オレの首筋に焔が顔を沈め・・・・・・・・ちくり、とした。
「あ・・・・っ」
「もっと先へ進みたくなる・・・」
 
 オレを覗き込んだ焔は・・・・・・・・・・・・・・・・欲情していた。





 え・・・・え?・・・・・・えぇぇっ!?




 た・・・・確かにオレと焔はその・・・結婚してるけど・・・・・・でも・・・・でも・・・・っ
 こんな明るいうち・・・・から・・・・・その・・・あんなこと・・・する、なんて・・・・・


「・・・・・ほ、焔・・・・」
「抱きたい・・・今すぐに悟空が欲しい」
 きゅ〜っと体温があがっていくのがわかる。

「あの・・・・でも・・・そ、その、あの・・・・・・・・・」
 心臓がばくばくして、頭がくらくらする。
「あの・・・・ま、まだお風呂入ってないしっ・・・・・」
 ああっ何言ってるんだよ、オレっ!!
 慌てて両手で口を閉じるが・・・・・・・・・・・焔は”にやり”と笑っている。

「そうか・・・悟空は綺麗好きだからな」
 と言うが否やオレを抱き上げた。
「ほ、焔っ!!!」
「暴れるな、落ちるぞ」
 絶対に落としたりしないくせに、そんな風に言う。
 だけど、体勢が不安定なのは確かで、咄嗟に焔の首にしがみつく。

 ちゅっと、焔が頬にキスをした。

「・・・っ!!!!」
「可愛いな、お前は」
「っつっっっ!!!!」
 あまりにストレートな言葉を連発する焔に絶句した。
 ・・・・・焔の・・・・
「・・・・バカ・・・」
 オレの呟きは聞こえたはずなのに、無視された。





「さてと、洗ってやるから服を脱げ」
「・・・・え、いいよ・・一人で出来るって!」
「悟空が言ったんだぞ?」
「え?」
 誰もそんなこと・・・・
「今日はずっと傍に居て欲しい、とな」
「だ・・・・・・だってそれはっ!!」
 確かに言ったけど・・・
「『それは』?何だ?」
 ・・・・時折、浮かべる悪戯めいた焔の顔。
 ・・・うぅ、絶対に諦めなさそうだ・・・
「み・・・見ないでよねっ!!」
 もう、開きなおって・・・・でも恥ずかしいから、焔に背を向けて服を脱ぐ。
 いつもと違って、腕がひっかかったりしたのは仕方が無いだろ。
 ずっと・・・・焔の視線を感じたし・・・・・・・

「あの・・・・」
 一応、服を・・・全部脱いで、前だけはタオルで隠して俺は後ろを振り向けないでいた。
「綺麗な肌だ・・・」
「・・・・っ!!」
「今すぐに食べてしまいたいほどだな」


 パシッ!!


 恥ずかしさのあまり、投げてしまった石鹸は見事焔の手の中へ。
 ・・・・・ナイスキャッチ・・・・。

「では、体を洗ってやろう」
 ・・・・諦めるつもりは無いらしい。
 








 予想に反して、焔に体を洗ってもらうのは気持ちが良かった。
 ・・・変な意味じゃないぞ。

「どうだ、痛くは無いか?」
「うん、大丈夫」
 ごしごしとスポンジが肌を撫でる。
 本当に丁度いい強さだった。
 
「ついでに頭も洗っておこう」
「・・うん」
 夢うつつで頷く。

「かゆいところは無いか?」
 シャンプーのいい匂いと、マッサージにオレはふわ〜んとなって首を横にふる。
「・・・・きもち、いい・・・」
 本音が吐息となって漏れていた。
「そうか・・・では、流すぞ」
「うん・・」
 

 シャワーが泡と汚れを流れ落とす。
 ・・・・オレの警戒も綺麗さっぱり流れていたりした。


「気持ち良かったか?」
「うんっ!」
 上機嫌で頷いたオレに・・・焔も上機嫌な笑顔をかえす。







「だったら、今度は俺も気持ちよくしてもらおうか」
「ふぇ?」
 
 気づくと深い口づけに酔っていた。




















■ あとがき ■

「いいところでぇっ!」・・・という声が聞こえてきそうです(笑)
確かに妙なところで終わって申し訳ありませんm(__)m
続きは裏仕様になりますので、こちらへはちょっと・・・(+_+)
しかし、いつ書いてもこのシリーズの焔と悟空って
「勝手にやってろっ!」と匙を投げたくなるほど
甘々・・・バカップルです(笑)




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