お前たちは本当に
愚かなほどに
真っ直ぐに
生きていた
| 「・・・・孫、悟空・・・」 孤独な魂は、いずれとも知らぬ場所で、偽りの『罪』という枷に繋がれている。 高位の神により封印された力は、焔のような半神にはつきとめることが出来ない。 じりじりとした思いで、僅かな機会を積み重ねながらその行方を探る。 世界を得るためには、どうしてもその力が必要だった。 ――――いや。 理由など・・・。 ただ。 あの、美しい金色の瞳に、己を映したいだけなのだ・・・ 「悟空・・・」 呟き、口元に苦笑を刻んだ。 「下界ですか?」 闘神の装束に身を包み、聖龍刀を携えた焔に紫鴛が問う。 「ああ、いつものやつだ」 嘲笑する。 天の神は、地上の者に歯向かわれることに我慢がならない。 その度にあれこれくだらぬ理由をつけては闘神を派遣し、歯向かった者達に破滅をもたらす。 己の手は汚さず。 『穢れた』己に、殺生という色を塗りこめていく。 命令されれば、焔はただ頷く ―――― 御意。 ただ、それだけの言葉。 心の中で焔が何を思い、何を考え、何を企んでいるかなど、奴らにはどうでもいいこと。 それとも、焔が『何か』を思う存在であるなど認識していないのかもしれない。 自分は奴らの意思のままに動く『人形』。 使い捨てのきく、便利のいい人形にすぎないのだ。 そう。そう思わせておけばいい。 いつか、奴らの目の前に『破滅』という名の鉄槌が打ち下ろされるまで。 「・・・・五百年」 半分人である焔にとって、それは決して短い時では無い。 それなのに、未だに何の手がかりも掴めずにいる。 「孫悟空・・・お前は、どこに囚われている・・・・?」 孤独な魂。 ――― 見つけたならば、今度こそ逃がさないものを・・・ 聖龍刀についた血を払いながら、焔は天へと還ろうとしていた・・・。 「―――― っ!?」 大地が、 ――――――― 震えた。 「・・・何が、起きた・・・・?」 地震などでは無い。 空気に満ちていく、これは―――――――― 『歓喜』 大地が、大気が・・・・地上にある全てが、歓喜の歌を詠っている。 『何か』の訪れを、歓喜している。 未だかつてこれほどの感情の奔流を、焔は感じたことは無かった。 「・・・・・・まさか」 大地の生み出した、唯一の者。 孫、悟空。 「封印が、解かれたのか・・・・!」 誰が? 誰によって? 散らつく、金糸の影 「・・・・残念だ、孫悟空」 この手で解放してやりたかった。 静かに目を閉じる。 脳裏に灼きついて、色あせることの無い―――――『金』 「―――― 迎えに行こう」 俺が俺らしく。 お前がお前らしく。 生きる世界へ。 |