| 身の内に潜みし、暗き思い 暴れ出しそうになりそうな慈悲に隠れた無慈悲 神とは何とままならぬものだろう |
「お姉ちゃん?」 「あぁ?」 甥の所へ預けてやった小さな子供が己を呼んだ。 ああ・・・そういえば、遊びに来たとか言ってやがったな。 「どうしたんだ?何か・・・変」 「・・・そうか?」 「うん!」 こんな子供にまで察せられるほどにおかしいのか、とおかしくなる。 いや・・・それともこいつが大地母神の子供だからか? 「何か・・・元気が無い。お腹空いた?」 ここで甥ならば「そんな理由で暗くなるのはてめーだけだっ!」と怒鳴リ散らすところ だろう・・・そして怒りながらも後で食事を用意してやるのは間違いないが・・・。 その様子が目に見えるようで・・・・。 観世音はくっくっくっ・・と笑い出した。 「・・??」 「いや、何でもねぇよ」 首を傾げる子供に手をかざし、傍へと招き寄せる。 「金蝉のこと、好きか?」 「うんっ大好きっ!!」 見事なまでの即答。 「俺のことは?」 「お姉ちゃん?うん!・・え、と・・・・『あいしてるぜ』!」 「・・・・くくっ、何だ、それは」 「だって・・・倦兄ちゃんが女の人にそう聞かれたらこう答えるんだって教えてくれた」 「あいつらしいな。だが・・・俺は厳密には『女』じゃないんだぜ?」 「???・・・でも」 「胸も有るが、あいつらと同じものだってついてる」 「????」 意味が理解できない子供が観世音の膝の上でしきりに首を傾げてみせる。 まるで無垢。 ・・・天上人にこの言葉が当てはまる者は居ないゆえに笑いがこみあげる。 「見てみるか?」 それは誘惑。 じっと子供の瞳を見つめて、返事を待つ。 「見るっ!」 罠に嵌まった子供に観世音は・・・・慈愛溢れる笑みを浮かべた。 観世音が自ら結界を張った寝室。 誰にも邪魔されずに休みを取るために作ったものだったが、こんなところで役に 立つとは想像もしていなかった。 広い寝台へ胡座をかいた観世音と中腰状態の悟空が向かい合う。 普通と違うのは。 観世音が身に纏う衣を全て脱ぎ、裸体をさらしていること。 「おら、見てみろ。お前らと一緒のものが俺にもついてるだろうが」 「・・あ。ホントだ」 裸体をさらすことに羞恥を感じないらしい観世音は、悟空の視線を浴びても びくともしない。 「金蝉と同じだぁ・・・」 「ぷっ・・お前、見たことあるのか?」 「だって一緒にお風呂に入るときに見るもん」 「・・・立派に『パパ』やってやがるんだなぁ」 観世音はあまりに不似合いな甥の姿に笑いを噛み殺すことが出来ず、体をくの字に 曲げて笑い出す。 「でも・・金蝉も天ちゃんも倦兄ちゃんもお姉ちゃんみたいに胸大きく無かったけど?」 「そりゃあ、大きくは無いだろうな。あいつらは『男』だ」 「??お姉ちゃんは?」 「俺は特別。片方の性では平等に慈悲なんぞくれてやれねぇだろ?」 「ん〜・・・よくわかんないけど両方あるなんて便利だな!」 「確かに、その通り。便利なのさ」 単純すぎるゆえに真理をつく、悟空の心が今の観世音には小気味いい。 「なぁ、悟空」 「なに?」 「滅多に無いことだがな・・・・・・・・・・・俺も偶には溜まるのさ」 「???たまる?何が?」 「『男』としの本能が」 そう言うと、観世音はすぐ近くに居た悟空の手を掴み、寝台へと押し倒す。 小さな体は組み敷くに丁度いい。 「さて、お前には俺たちと同じものがついてるかな?」 「え?ついてるよ、だってオレ、男だもんっ!」 警戒心の欠片もなく、遊びの延長にしか今の状況を捉えられない悟空。 それもまた、いいだろう。 観世音は心のうちで笑う。 「だったら見せてもらおうか、俺だけなんて不公平だろう?」 悟空の返答を聞く前に観世音は下肢に手をかけ、ズボンを引き抜いた。 「・・・っ!」 いきなりのことに驚いた悟空は観世音の腕にしがみつく。 「ああ、ちゃんとついてるな・・・・少々小ぶりだが」 にやりと笑い、ぴんっと悟空のものをはじく。 「・・・んっ!」 「だが、感度は良いな」 「・・お姉、ちゃ・・・ん・・・っ」 自分のものより大きな手の平にすっぽりと包みこまれ、ゆるやかにしごかれる。 「可愛いな・・・お前は」 そのまま。 邪魔が無ければ、今の観世音ならば・・・・・・・抱いていた。 「クソばばぁっっ!!」 絶妙のタイミング。 「・・・・察しのいいことだ」 上機嫌に悟空の上から観世音は身を離した。 「・・金蝉?」 「さっさと結界を解きやがれっ!!」 声だけが寝所に届く。 まぁ、それだけでも褒められるべきだろう。 それほどに観世音の力は天界でも抜きん出ている。 「悟空、お迎えだな」 「金蝉だ♪」 寝台から飛び上がる悟空に観世音は手をかざし、衣服を元に戻す。 「また、な。悟空」 「ばいばい、お姉ちゃんっ!また遊ぼうな!!」 悟空が寝所の扉を開ける。 扉の前には金蝉が仁王立ちしていた。 「悟空っ!!」 「金蝉っ!」 飛びつく悟空をそのままに金蝉はさっとその全身に目を走らせる。 ・・・・何かをされた形跡は無い・・・・見た目には。 「心配しなくても、何もしやしないさ・・・・・『お父さん』」 「・・・・うるせぇ」 金蝉は観世音を睨みつけ、悟空を腕にさっと抱き上げる。 「帰るぞ」 「うんっ♪お姉ちゃん、バイバイッ!」 「おう、またな」 そのやりとりに眉間の皺を更に深くした金蝉はこんなところに一刻もいられるかと ばかりに背をむけた。 見送る観世音の顔には、晴れ晴れとした顔。 |
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■あとがき■
何とか頑張って表仕様(笑)
途中で裏にまわそうかとも思ったんですが、表にUPすると
予定した以上・・・ちょっと、と思いまして(^^ゞ
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