青天白日、和風慶雲
それはまだ、4人が旅に出る前
ある平和な一日
「・・・っあ!!八戒!!」
三蔵が公務に追われている最中、いつものように寺院の見下ろせる丘で
一人遊びに興じていた悟空が下から登ってくる2人組を見つけて叫んだ。
「こんにちわ、悟空。お久しぶりです、元気にしてましたか?」
「うんっ!!八戒も元気そうだな!!」
にこにこと穏やかな八戒に満面の笑みを浮かべて答える悟空。
「・・・・・・・・おい、俺は無視か?」
赤髪の人物が不機嫌そうに悟空を睨んだ。
「何だ、居たのか悟浄」
まるで、居たことに今気づいたかのように言う悟空に悟浄のこめかみがぴくぴくと
動いた。
「・・・しばらく会わない間に小猿は盲目になっちまったてか?こんなイイ男が目に
入らないなんて、な」
「・・・・・・だって三蔵が赤い髪した自意識過剰な男が来たら目に入れるなって
言ったんだもん。それって悟浄のことだろ?」
「っあのやろーーっ!!」
「三蔵は良い教育をしているようですねぇ」
そんな二人の様子を見守っていた八戒がそう言って悟空の頭をよしよしと撫でた。
「・・・・・・・おい」
ひそかに三蔵の言葉を肯定する八戒に悟浄が文句を言いかける。
・・・・・・が八戒は聞いちゃいない。
「なぁなぁ、今日はどうしたんだ?」
「ああ。そうでした。今日は格別良い天気でしょう。皆でピクニックにでも行かないかと
誘いに来たんですよ」
「ピクニック!!!」
悟空がその言葉に飛び跳ねて八戒にしがみつく。
「ええ、悟空のためにお弁当もたくさん作って来たんですよ」
「やったぁっっ!!!」
見事に餌付けされている悟空は天まで届けとばかりに飛び上がった。
「・・・・で何なんだお前ら、邪魔だ」
三蔵の執務室に飛び込んで来た3人に仏頂面の三蔵が鋭い視線を投げた。
机の上には書類がまさに・・・・山積している。
「三蔵、三蔵っ!ピクニックに行こうっ!!」
そんな不機嫌な三蔵なぞ目に入っていないのか、気にしないのか悟空が三蔵の
袖を引っ張る。
「はぁ?ピクニック?俺は仕事中だ、見てわからないのか?」
「わかりますよ」
しょぼんとした悟空のかわりに八戒が口を出す。
「ですから、悟空と3人で行ってきますと断りに来ただけです」
にこにこと笑いながら八戒、後ろで悟浄が額から汗を流す。
とばっちりが自分に飛んでこないことを願いながら。
もちろん、八戒の嫌味に三蔵の不機嫌度は増している。
「えぇっ、三蔵は行かないのかっ?」
「お仕事が忙しいそうですよ。邪魔しちゃいけません、3人で行きましょう」
「・・・・・・・そうなのか?」
八戒の言葉に悟空が金色の瞳に寂しげな色を含ませて三蔵を見上げる。
『・・・・う゛』
少々その眼差しは反則だろうと三蔵は言いたくなった。
そんな顔をされたら、いくら仕事があろうと無碍には出来ないではないか。
しかも、その表情が無意識なぶん余計に性質が悪い。
(・・・・・・・世話のやける・・・・)
三蔵が机から立ち上がった。
「おら、何ぼうっと突っ立ってやがる。とっとと行くぞ」
三蔵の言葉に悟空がぱぁぁと花開くように満面の笑みを浮かべた。
「・・・・・・残念ですねぇ・・・」
せっかく邪魔者が居ないと思ったのに・・・・
悟空に気づかれないように小声で呟く八戒。
「ホント、最高僧サマってば照れ屋さんなんだから♪」
がうんっ!!
「うぉっ、危ねぇなっ!!」
「死ね、馬鹿」
「ピクニック♪ピクニック〜♪」
「さぁ、行きましょうね」
睨みあう二人を置いて、八戒は悟空の小さな手をつないで部屋を後にする。
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
二人は思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一番厄介なのはあいつだ。
寺院から少し離れた、緑広がる野原。
悟空は、三蔵・八戒・悟浄を後ろに先頭で飛び回っていた。
「なぁなぁっ、これ何て言うんだっ!!」
「シロツメクサですよ」
「これはっ!これはっ!!」
「クローバーですね。どうです?これで花輪を作ってみませんか?」
好奇心旺盛に跳ね回る悟空を取りあえず落ち着かせようと、八戒が提案した。
「作るっ!!」
和気藹々としている二人に対して、三蔵と悟浄は蚊帳の外。
ちょっと・・・いや、だいぶ面白くない。
「さすが、保父さん・・・・ガキの扱いがうまいねぇ」
「・・・ふん」
「おや?羨ましいんだったら一緒に作ってもいいんですよ」
にこり。
「「・・・・・・・・冗談じゃねー」」
そんな寒いこと・・・・絶対にお断りだ!!!!
二人は心の中で叫んだ。
「ほら、ここをこうして・・・そうそう、上手ですよ、悟空」
「う、んと・・こう?」
「そうです」
なでなで。
よくできました、と頭を撫でる八戒。
本当に良き、保父さんと化している。
・・・・・・・内心、『かわいいですねぇ〜犯しちゃいましょうか』・・・なんて危ないことを
思っていようともそれは表には現れていない。
「ここを、こうして・・・完成です」
「出来たっ!!」
はじめて作った花輪は少し歪な形をしていたけれど。
「三蔵、さんぞうっ!!」
その花輪を持って悟空は座り込んで不機嫌な面持ちでタバコをふかしている三蔵へと
駆け寄った。
「これ、三蔵にやるっ!!」
差し出された花輪を三蔵は、内心驚きを隠せない思いで見つめる。
「んしょっ、とっ!!」
「・・・・・おい、何やってる?」
いきなり膝の上に乗り上げた悟空に落ちないようにさりげなく支えてやりながら尋ねた。
「頭にのせるっ!!」
「・・・・・・・」
「いや〜微笑ましいですね〜」
「・・・・ぶっ、け、結構似合うんじゃねぇ、三蔵サマ」
そんな二人に三蔵から凶悪な視線が向けられるが目の前に悟空がいるためいつもの
ように銃をぶっ放すマネは出来ない。
そんな3人のやりとりなど気にすることなく悟空は、何とか三蔵の頭に花輪をのせることに
成功した。
・・・・・・・・・・・が。
するっ。
花輪は滑って三蔵の手の中に。
『・・・・ぷっ』
二人は吹きだしそうなのを何とか抑える。
三蔵に遠慮して、ではない。
悟空を傷つけないため、だ。
「あ・・・落ちちゃった・・・」
悟空が泣きそうになる。
目に涙を貯めた様子は凶悪なほど可愛いが、やはり悟空は笑顔のほうがいい。
それは3人の共通した思いだった。
「ああ、ちょっと小さかったんですね」
「ほら、こうすりゃ腕輪にはなるだろう」
三蔵の腕にある花輪を手にとり、その三蔵の腕に花輪を通す悟浄。
かなり笑える様子だが必死で悟浄は我慢する。
「・・・・・」
「三蔵」
何ともコメントのしようがない三蔵に答えをうながすかのように八戒が声をかける。
「・・・・・ちっ」
悟空はその間じっと三蔵を見つめている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・初めてにしちゃ上出来だ」
途端に笑顔になる悟空。
「悟空、僕たちにはくれないんですか?」
「えっとね、今から作るっ!!」
このまま二人ラブラブモードにしてなるものか、と横槍をいれる八戒。
そして、俺もあれをしないと駄目のか?と顔を引きつらせた悟浄であった。
かなりの時間が経過し・・・・・・・・・3人の腕には白い花輪がはまっていた。
そして、その花輪はひそかに、それぞれの宝となった。
ある晴れた平和な日。
4人はそれぞれに幸せだった。
†あとがき†
ああっぅ、悟空可愛いっっっっっ!!!!!(>_<)////
はっ、(←我に戻った)
本当に悟空は可愛いですよねぇ。
特に外伝の悟空は・・・・・くっ(鼻血でそうふ・・)
でも、御華門は4人がほのぼの〜しているのも好きなので今回の
話を書いてみました♪如何でしたでしょうか??
では、ご拝読ありがとうございました!!!