遊ぼう
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僕は退屈なんだ





















「ちくしょうっ!!」
 悟空はそう叫んで岩に手を打ちつけた。






 ぼろぼろに負けたのが悔しくて。
 傷の癒える間もなく宿を飛び出した・・・・・・・・・・・・・・・たった一人で。

(絶対にぶっとばしてやる!)
 そう決意して。


 そのはずなのに。




「どうしたのかな?もう終わり?」
 カラダの各所から血を流し、岩にすがりついた悟空を”カミサマ”が見下ろす。
「つまんないよ?」
「・・・・っぅるさいっ!」
 悟空は如意棒を持つ手に力をこめて打ちかかった。

 ガツンッ!

 悟空の如意棒はカミサマの残像を切り裂いて岩にあたる。
 欠けた石が飛び散る。
 
「くそっ!」
「まだまだ元気だね、安心したよ♪」
「三蔵の経文を返せっ!」
「僕も一応”三蔵”なんだけど?」
「・・・お前なんか三蔵じゃないっ!オレの三蔵は一人だけだっ!!」
 お互いが話している間も悟空の攻撃は止まることなく、動きつづけるカミサマを狙う。

「いいね、その金色の瞳♪・・・・ぞくぞくするよ」

「・・・ぁうっ!」
 突然に襲った衝撃に悟空のカラダは木に叩きつけられた。
「・・・っこほ・・・!」
 一瞬息ができなくなり、脊髄に痛みが走る。
 ずるずると滑り落ちるカラダ。
 

 
 気配が至近にあった。



「ねぇ?」
「・・・・・っ!?」
 カミサマの髪が悟空の頬を撫でた。
「キミは”三蔵”の何?」
「・・・・・・・」
「キミが傷ついたとき、一番怒ってたよねぇ?」
「・・・・・ない」
「ん?」
「お前には関係ない!」
「だって興味があるんだもん・・・・・・・ふふ、恋人?」
「・・・・・違う」
「本当に?」
「違うっ!!」

 (オレと三蔵はそんなのじゃないっ!)


「じゃぁ・・・僕が貰っても構わないよねぇ?」
「・・・・・・っ!?」
「キミのこと気に入ったよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・孫悟空」
 名前を呼ばれて悟空の肌が粟だった。


 パシッ!


「・・・つれないね」
 触れようとした手を悟空が払う。
「オレに・・・・・・・触るな!」
「そう言われると触りたくなるんだよね〜」


『*******』
 カミサマが悟空には理解できない呪をつむぐ。
 途端に肩にかかっていた数珠が命を得たかのように動き出し、悟空にからみついた。


「・・・・っ!?」
「抵抗されるのも楽しいけど、束縛するのも好きなんだよね。僕」
「あく・・・しゅみ・・・っ」
 数珠から逃れようとする悟空を、さらにきつくしめつける。
 数珠と数珠がこすれあいぎちぎちと音が鳴った。
「抵抗すればするほどきつくなるよ、それ♪」
「・・・っ!」
 それでも悟空はやめない。
「もしかして、キミ・・・頭悪い?」
「・・・っせーての!ぜってーお前のものなんかに・・・なる・・・かっ!!」
「ふーん・・・」




「あぁ・・・・っ!!」
 ベキッと鈍い音が響く。
「可哀想に、骨が折れちゃったね♪」
 悟空の腕から血が流れ落ちる。
「ふふふ・・・」
 カミサマは唇を弧にゆがめ、悟空の傍にしゃがむとその血に舌を這わせた。
 そのまま腕をのぼり、悟空に口づける。
  
 口の中に血の匂いが広がる・・・・。


「やめ・・・・・っ!!」
 絶え間なく襲う痛みに気を失うこともできず、悟空はただ一部自由な頭を激しく横に
振った。
「美味しいよ・・・・キミの血。病みつきになりそうだ・・・・」
 カミサマは再び傷口に唇を寄せると、流れ出る血をぴちゃぴちゃと舐める。
 悪寒が悟空の背筋を這う。
 

(気持ち・・・・・・悪い・・・・っ)



「キミは僕の玩具・・・・・・飽きるまでずうっと遊んであげる」
「だ、れ・・・・が・・・・・っ」

 朦朧とする悟空の目の前を白い布が舞う。
 ”カミサマ”とやらの袈裟、だ。
 そう思った瞬間、悟空の意識は遠のいた。








「大事に大事に・・・・・遊んであげるよ」
 袈裟に包まれ腕に抱かれた悟空にカミサマは口づけを落とす。
 
























「さぁ、帰ろう」




























† あとがき †

まとまらずに終わる・・・・・(T×T)
これ以上は裏仕様な気がして・・・(おいっ)
表では久々の暗くて痛いお話です。
「何だ、これはーっ!」と思われた方は犬に噛まれたとでも
思われて読み流してください。

では、失礼いたしましm(__)m






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