『・・・空』
 『・・・・・・悟空』

 だ・・・・れ・・・・・・・・・・・?
 俺の名を・・・呼ぶのは・・・・・・・
 
 ふわぁと目の前に光が広がる。
 まぶしい、けれど・・・自分を包み込む優しい光。

 行かないで・・・・・・行かないで・・・・・・・・

 その光がどんどん自分から離れていく。
 手を差し伸べてもその光は留まらない。

 駄目・・・・お願いだから・・・・・・・・っ!!!!!!

 


 俺を置いて行かないでっっ!!!!!


















「・・・・っ、悟空っ!!」
「・・・・え」
 強く揺さぶられて悟空は目を開いた。
 目に映るのは・・・・・いつもの仏頂面を恐いほど真剣な色に染めた三蔵。
「どうした?」
「・・・・・夢・・・・見た・・・・・・また・・・一人になる・・・・・・夢・・・・・」
悟空の金色の瞳が闇の中で光る。
「・・・・・馬鹿が。そんな夢で叫ぶんじゃねぇ」
「だっ・・て・・・・・・・すっげぇ悲しかったんだぞ・・・」
「夢だろうが」
「・・・・・・・・・うん」
「まだ朝まで時間がある、とっとと寝ろ」
三蔵はそう言うと腰掛けていたベッドサイドから立ち上がり、部屋を出て行こうと
する。
「・・・・・・・・さんぞう」
「・・・・何だ?」
「・・・・・・・・」
悟空が法衣の裾を、その小さな手で掴む。
「だから、何なんだ?」
「・・・・・・・・。・・・・・・・さんぞう・・・・傍にいて・・・」
「・・・・・・」
普段ならば容赦なくハリセンで一発叩く三蔵も悟空のすがるような眼差しに動き
を止める。
しばらく、無言で三蔵と悟空は見つめあった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・折れたのは三蔵だった。
「ちっ、・・・てめぇが寝るまで居てやるからさっさと寝ろ」
三蔵の言葉に悟空はぱぁぁと顔を輝かせるとこくりと肯いて素直に目を閉じた。

そして、すぐに健やかな寝息が三蔵の耳に届く。


「悟空、俺にはお前の過去なんかには興味はない」
三蔵は悟空の寝顔に語りかける。

「必要なのは現在だけだ。余計なものに気を向けるな。俺以外のものに惑うな。
・・・・・・・・・お前は・・・・・・・・・・・・・・・・・俺のものだ」

闇に影が重なる。





朝まで悟空は目覚めなかった。









†あとがき†
うわっ短いっ。どうも初の最遊記の小説でした。
まだまだキャラをつかめてなくていまいち偽者っぽいんですが
これから成長していく(・・・と思いますので)、温かく見守ってやって
いて下さいませ。お願いいたします。
では、ご拝読ありがとうございました!!!




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