![]()
不穏な気配が漂いつつも、変わりない天界。 その片隅。 元帥の称号を持つ、天蓬はここ最近いつになく上機嫌だった。 「・・・・『今度は僕も誘ってくださいね』・・・とこれでいいですね♪」 両脇に怪しげな蔵書を山と積んだ執務(しているかどうかは謎だが)机で天蓬は赤ペンを 走らせる。 「悟空もだいぶ上達してきましたよね・・・もう少し漢字を覚えるともっと色々書けるように なるでしょう・・・・今度は漢字練習帳でもプレゼントしましょうか・・・・それとも・・・・・」 天蓬は赤ペンを振りつつ、プレゼントする品物について思いを馳せる。 「おっと。そろそろ悟空が来る時間ですね」 PiPi!と天蓬の腕から電子音が響いた。 どうやら悟空の訪問時間をセットしていたらしい。 「天ちゃーんっ!!」 そして1秒とて間違うことなく悟空が現れた。 扉を大きく開け放った悟空の手には一冊の日記帳。 「いらっしゃい、悟空」 天蓬はにこやかに悟空を迎えた。 「はいっ!今日のぶんっ!」 悟空は天蓬に駆け寄ると机の上に日記帳をのせた。 「今日も元気ですね、それじゃあ拝見します」 と言いつつ、何故か日記帳を手に立ち上がる天蓬。 それを気にすることなく悟空はいい加減散らかっている部屋の唯一座ることのできる ソファに腰をおろした。 「今日のおやつは天ちゃん特製ミルクプリンです♪」 「うわーいっ!!」 眼前に差し出された巨大な塊・・・それはもうプリンなんて可愛げなものなのどではなく・・・を 目を輝かせて見つめると、スプーンを手に戦闘態勢に入った。 そんな悟空を微笑ましく見つめると、天蓬は隣室に行く。 うぃ〜〜ん・・・っ。 うぃ〜〜ん・・・っ。 何やら妙な音が響いているが悟空は気にしない。 間もなく天蓬が隣室から戻ってくると悟空もプリンを食べ終えていた。 驚異的な速さである。 「味はどうですか?」 「すっげーうまいっ!!」 悟空は惜しげも無く最高の賞賛の言葉を天蓬に与える。 「それは良かったです・・・・あ、頬についてますよ」 「ん?」 口の端についていた小さな白いつぶを天蓬の手が取り、そのまま自分の口へ。 「ああ、美味しいですね♪」 「だろーっ!」 (あなたの食べさしだからこそ・・・なんですけどね・・・・フフ) 何の疑問もなく同意する悟空を真意を測らせない笑顔を浮かべて見つめる天蓬。 「はい、それじゃあ見ましたから明日も頑張って書いてくださいね♪」 「うんっ!」 天蓬から日記帳を受け取った悟空は元気よくうなずく。 「あ、そうそう、悟空」 「なに?」 「ほら、金蝉にセミの水がかかっちゃったて書いてたことがあったでしょう?」 「うん。すっげー怒ってたもん!」 「あの後のこと書いてませんでしたけど・・・金蝉はどうしたんですか?」 「お風呂にすっげー勢いで走ってった」 「・・・・金蝉がですか?」 「うんっ!オレより早かったかも・・・・・んでついて行って『何してんの?』て聞いたら『洗ってんだ 馬鹿サルっ!!』て言うから『でも水だろ?オレもかけられたよ?』て言ったら・・・・・また、 『馬鹿サルーっ!!』て怒鳴られてお風呂に入れられた・・・お湯ってあんまり好きじゃねーけど 金蝉あんまり一緒に入ってくんないから一緒で楽しかった♪」 「・・・・一緒?」 「うん♪」 天蓬の笑顔の背後で業火が燃えがるのが・・・・見えた。 「・・・悟空」 「ん?」 「今度は僕と一緒に入りましょうねぇ。アヒルさんとかゾウさんシャワーとか色々とおもちゃを 用意してあるんですよ♪」 「えーホントっ!?入るっ入るっ♪」 「それじゃあ約束ですね」 「うんっ!」 天蓬と悟空は小指をつなげて『うそついたら針千本の〜ます!』と・・・普通の人間なら言葉 遊び程度の言い回しだが、天蓬相手にそんな約束していいのか?と倦簾あたりなら思わない ではいられない約束を取り交わした。 「それじゃ、ばいばい天ちゃんっ!また明日!!」 「はい、また明日」 にこやかに手を振って見送る天蓬。 (ああ・・明日も悟空と会えますねぇ・・・フフ☆) 「さてと、コピーしておいた日記帳を閉じておかないといけませんね♪」 天蓬は書棚から二冊のバインダーを取り出す。 その表紙には一冊は『悟空のにっき <添削編>』、もう一冊には・・・・・・・・・・・・・・・・ 『悟空のにっき <永久保存版>』と書かれて丁寧に密封されていた。 「そのうちプレミアがつくかもしれませんね♪」 フフフフフ☆ 天蓬元帥は上機嫌だった。 だが、それが不気味で恐ろしいと倦簾のもとには部下からの苦情が届いているのだった。 倦簾大将の苦労は絶えない。 |
**********************************
◆あとがき◆
悟空のにっきネタで書いてみました♪
・・・かなり天蓬が怪しい人と化してます(笑)