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一家に一匹ペットがいたら・・・
さぁ、どんなふうに飼いましょう?
→〔Konzen〕
→〔Tenpou〕
→〔Kenren〕
Where do you go to first・・・・?
† Case by Konzen † |
ガシャンッ!! バキィィッッッ!!!! どごっ!!ボコッ!! 「・・・・・・・・(怒)」 部屋の外から響く盛大な・・・・・騒音に執務室の机に向かいながら金蝉は眉間の皺を深くして いった。 ドカッ!! 「こーんぜーんっ!!」 執務室の高価な漆塗りの扉をあっけなく粉々にして飛び込んできたのは最近飼い始めた”悟空”と いう名の小動物である。 ・・・・・耳にふさふさと毛があり、お尻に勢いよく振られる尻尾があるところが動物的だ。 「こんぜんっこんぜんっ!!あのねっ!!」 耳をぴーんと立て、ちぎれんばかりに尻尾を振って金蝉にしがみついてくる。 「・・・・・・」 「・・・・こんぜん?」 「・・・・このバカ犬がぁっっ!!!!!てめーは何度行ったら扉を壊さずに入ってこれるんだっ!! あぁ?とり頭か?お前の頭は!!三歩あるけば忘れるのかっ!!」 「・・・・三歩じゃないもん一歩だもん・・・」 「余計悪いっ!!とにかく扉を壊さずに入って来れるようになるまでここには一切立ち入り禁止だ!」 「えぇ〜っっ!!!」 抗議する悟空の首ねっこを捕まえるとひょいっと外へ投げ捨てた。 ・・・・が扉が壊れているのではっきり言って意味がない。 しかし金蝉は悟空を放り出すと部屋にとってかえし再び書類に目を通しはじめた。 「こんぜん・・・」 今は何も存在しない部屋の入り口に放り投げられたまま座りこんだ悟空はそこから金蝉の名前を 切なそうに呼ぶ。 「こんぜん・・・」 飼い主の許しを必死で請うような悟空の声音は涙をふくみ、ただ一心に金蝉を見つめる。 「こんぜん・・・っく・・・ごっめんな・・・さいっ・・・っく・・・っ」 ひっくひっくとしゃくりあげはじめた悟空の瞳からは大粒の涙が零れ落ちていく。 「こんじぇん〜・・・っく・・・ごめん、なしゃい・・・・っひっく・・・っごめ・・・っく・・・・」 いくら怒られても叩かれても悟空は金蝉のことが大好きだった。 それなのに傍に居ながら近づくこともできず、声も聞けず・・・無視されて悟空は我慢できずに 涙を流す。 悟空はわめくようには泣かない。 ただ静かに涙をこぼす。 それは金蝉に拾われる前、道端に捨てられた悟空がいくら泣き声をあげても誰も立ち止まらず 通り過ぎていく日々を過ごし、諦めとともに覚えた仕草だった。 「・・・・・・このバカが・・・・」 ここで甘やかしてはいつまでたっても悟空は礼儀作法を覚えないことは確実だった。 しかし、どこの世界にこれほど自分を慕い焦がれる相手を無視できる人間がいるだろう? 「悟空」 大好きな金蝉が自分の名前を呼んでくれたのが嬉しくて悟空はぴたりと泣き止む。 しかし、いつものようにすぐに駆け寄ってこようとはしない。 「来い」 そう言った金蝉の顔はもう怒っていなかった。 「・・・こんぜんっ!!」 悟空は満面に笑みを浮かべると飛び跳ねるように金蝉のもとへと駆けていく。 ほんのちょっとは賢くなったのかもしれない・・・・・そんな淡い期待を抱いた金蝉だった。 *Fin* |
† Case by Tenpou † |
「はい、悟空。じっとしていて下さいね♪」 「うぅ・・・・」 天蓬元帥のもとにきた”悟空”という名の小動物はただ今飼い主に入浴させられていた。 いつも元気な悟空は帰ってくるたびに泥まみれで歩くはしから天蓬の屋敷を汚していく。 そして天蓬元帥は悟空をぶくぶくと入浴させるのが日常だった。 「うにゅ〜っ」 しかし悟空はあまり入浴が好きではないらしく隙あらば泡だらけの体で飛び出そうとする。 「綺麗になったらおやつをあげますから大人しくしてくださいね」 「・・・・は〜い」 やはり小動物。 何よりも食い気がすごかった。 しぶしぶ返事をした悟空はごしごしと髪をあらわれ、ざば〜んとお湯をかけられた。 「はい、いいですよ。よく我慢しましたね♪」 「うんっ!!」 いい子いい子と頭をなでられて悟空は上機嫌である・・・・・・・・かなり頭は悪いかもしれない。 タオルケットで体を包まれ天蓬に抱き上げられた悟空は用意していた服を(きちんと尻尾穴が あいている!)着せてもらった。 「じゃぁ、約束していたおやつです」 そう言って悟空の目の前に差し出されたのは悟空の身長ほどの高さに盛られたクッキーの山。 「うわ〜っvvvこれぜんぶ食っていいのっ!?」 「ええ、いいですよ。悟空のために作りましたからね」 「やったぁ〜っvvv」 その山を崩すことなく食べる技術はある意味神業と呼べるかもしれない。 一心不乱にぱくぱくとクッキーを口に入れる悟空の様子を天蓬が微笑ましく眺める。 (やはり悟空は食べているときが一番可愛いですね〜) かなり親(飼い主?)バカが入っているかもしれない天蓬元帥だった。 さて、食べた後にはお約束。お昼寝タイムに突入である。 クッキーの食べかすを口元につけた悟空は天蓬の膝の上ですやすやと眠る。 窓から吹き込んだ風が悟空の大地色の髪をそよそよと揺らし、鼻先をくすぐると・・・・・・ 「くしゅっ!」 小さなくしゃみが一つ出た。 しかし目覚めることなく悟空はごそごそと体勢を変えより深く天蓬の膝にぴったりとおさまる。 「おやおや・・・」 可愛らしい仕草に天蓬の目が細まり、優しく悟空の髪を撫でてやるのだった。 きっと起きたら開口一番こう言うのだろう。 『天ちゃんっ!!腹減ったっ!!』 「くすくす、さて今日の夕食は何を作りましょうかねぇ・・・」 悟空とともに過ぎる穏やかな日常。 天蓬はとても幸福な空気に包まれていた。 *Fin* |
† Case by Kenren † |
「よしっ悟空!!競争だっ!!」 「おうっ!!」 一本の桜の大木を前に倦簾と悟空はよーいどんっ!と掛け声をかけた。 1メートル以上の身長差があるからどうしても倦簾のほうが最初は早く登っていく。 しかし悟空は生来の野生児である。 どんどんと差を縮め、気が付けば倦簾と肩を並べ追い抜かしていった。 「ケン兄ちゃん、おそいよ〜っ!!」 悟空が得意げに下にいる倦簾に呼びかけた。 「くそっ・・・」 ちょっぴし本気で悔しがったりする倦簾は腕に力をこめた。 倦簾が本気になったのがわかったのか悟空も慌てて枝をつかもうとし・・・・・ 「・・・・あっ!!」 手を滑らせた!!! 枝を掴むはずの右手は宙を舞い、重力に従い悟空が落下する。 「悟空っ!!!」 倦簾は心臓が飛び出るほど驚いたものの悟空の予想落下地点に手をのばし、その小さな体を しっかりと受け止めた。 「悟空っ・・・・大丈夫か?」 衝撃に耐えるべくぎゅっと目を瞑っていた悟空は倦簾に問われてそろりと目を開ける。 「悟空?」 「え・・・と・・・・・・・・・大丈夫♪」 心配する倦簾に何事も無かったかのようににっこりと笑顔を浮かべて返事をした悟空。 「あのな〜”大丈夫♪”じゃないだろうがっ!!もし俺が下に居なかったお前は大怪我していたかも しれないんだぞっ!!」 いつも冗談ばかりいって滅多に声を荒げたりしない倦簾の怒声に悟空は目を丸くし・・・・・涙を 浮かべた。 「・・・・ごめんにゃさい・・・・っ・・・・」 「・・・・まぁ、俺も大人げなかったな。でも気をつけろよ」 涙を浮かべた悟空に言い過ぎた・・・と思った倦簾は慌ててフォローをいれ、腕の中の悟空を ぎゅっと抱きしめてやった。 自分の腕の中にすっぽりと埋まってしまう小さな体。 普通の小動物よりは丈夫だとはいえ、やはりこんな体が固い地面に叩きつけられることを思うと 胸がしめつけられるような気がする。 本当に俺が下にいて受け止められて良かった・・・・・倦簾は悟空を抱きしめながらしみじみ思う。 「ケン兄ちゃん・・・?」 悟空を抱きしめたまま黙ってしまった倦簾に小首をかしげて悟空がのぞきこんでくる。 怒られてしゅんっとなっていた尻尾が元気をとりもどして、ぱしぱしと倦簾の腕に当たってきた。 「悟空・・・・」 もう危ないことはするなとか・・・遊ぶなら中で遊べとか・・・色々と言いたいことはあった。 だがそれを悟空に強要することは、悟空を殺すことにも等しい。 見えない自由の翼を持ったこの小動物は空の下を生き生きと動きまわることこそふさわしい。 自分を見つめる悟空の頭にぽんっと手を乗せるとくしゃっとかき混ぜた。 「よしっ。そろそろ帰るか腹減っただろ?」 「うんっ!!腹減った!!」 そう、こいつは今のままがいい。 危なくなれば自分がいる。 いつも自分が傍にいて守ってやればいい。 「そんじゃ、家まで競争だっ!!」 「おうっ!!」 顔をみあわせ笑いあった二人はじゃれあいながら帰り道を駆けていった。 *Fin* |
† あとがき †
『愛玩動物』ご拝読ありがとうございました♪
書いてて楽しかったですvv
御華門としてはめろめろに悟空を甘やかしている天蓬に一票♪
・・・どれも捨てがたいんですが(笑)
倦簾なんか飼い主とペットいうよりは”兄弟”といった感じです。
やはり”飼い主とペット”大賞は金蝉でしょう(笑)
ちゃんと躾も行っているようですし(笑)
皆様はどれがお好みですか?