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僕は一度死に 二度生まれた 罪の十字架を背負い 後悔する日々を迎えると思っていた二度目の人生 けれど それは間違いだった 「もう変えるなよっ!」 そんな祝福の言葉を貰ったから |
「八戒は呼ぶまで帰ってきちゃ駄目だからなっ!」 朝、いきなりやってきた悟空は、朝食を(もちろん八戒手作り)食べた後・・・そう言って 家から八戒を追い出した。 「・・・・・いったい何なんでしょうね・・・・」 これと言って用事のない八戒は途方に暮れた。 買出しは昨日したし、町の寄り合いも無い。 ゴミだしも終わっていた・・・。 「どうしましょうか・・・」 悟空にそう言われたからには呼ばれるまで帰ってはこれない。 ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・。 そして、八戒は微笑を浮かべた。 「・・・・・・・・・・いったい何の用だ」 眉間に皺を寄せ、顔もあげずに応じた三蔵に八戒はにこやかに笑った。 「いえ、悟空に追い出されてしまいましたので」 追い出された八戒は、悟空の家・・・・・寺院へやって来た。 「・・・・・お前のところに居るのか」 「ええ、朝から押しかけてくれまして♪美味しそうに朝ごはん食べてくれましたよv」 「・・・・・・(怒)」 「やはり寺院の質素な食事では育ちざかりの悟空には少ないようですねv」 「・・・・・・・・・何が言いたい」 三蔵の握っていたペンがぼきりと音を立てた。 寺の小坊主ならこの時点で尻をまくって逃げ出していただろうが・・・・・ 相手は煮ても焼いても喰えない八戒である。 「いえ、別に。もう少しいい環境で育てたほうがとか、引き取りましょうか、なんてことは 言いません」 しっかり言っている。 「・・・それにしても、どうして悟空はこんな朝早くに来たんでしょうねぇ」 「・・・知るか」 相手にできん、とばかりに三蔵は書類に視線を戻した。 「悟浄と二人きりってところも多いに気になりますし」 もちろん、悟浄にはしっかり釘をさしてきましたよ・・・と言う八戒のセリフに三蔵の 動きがぴくりと止まった。 「・・・・・・ゴキブリにその程度の釘で足りるか」 三蔵は徐に引き出しから拳銃を取り出すと、カチャリと安全装置をはずした。 「おやおや」 火をつけた当人はいたって楽しそうに笑っていた。 「だからな、これはこうだろうが」 「ん、こう?」 「違う違う。もう少し包みこむように、これがたつくらいまで・・・・」 ガウンッ!!! 「っうわっ!」 悟浄の目の前を弾丸が通り過ぎた。 「っ!?」 悟空も驚く。 「てめぇ・・・何してやがる」 どろどろどろ〜〜とどす黒いオーラを纏った三蔵がキッチンの入り口に仁王立ちしていた。 「あ、三蔵!」 「それはこっちのセリフだ、生臭坊主っ!!」 怒れる悟浄は頭から白い液体を被っている。 甘ったるい匂いからするに・・・・・・・・・・・生クリームだ。 「三蔵、仕事じゃなかったのか?」 険悪な二人に雰囲気に構わず、悟空は三蔵に駆け寄る。 そしてぎゅっと法衣を掴むと・・・・ 「あ・・・・」 そこには真っ白な悟空の手形がついていた。 「ご、ごめんっ!」 「・・・・・・怒」 いつもならば、ここでハリセン一発。 悟空を殴り飛ばすところだが、殺意じみた視線を悟浄に向けただけで舌打ちするに留めた。 「何をしていた?」 「え、と。今日は、ほら・・・八戒の誕生日じゃん?いつも美味しいもの食わせてくれるし お礼がしたいなと思って・・・・・」 「で、これか?」 三蔵が指差した先には、デコレーションされるのをいまかいまかと待っているケーキの ふわふわ〜なスポンジ。 ・・・・ところどころ焦げているのはご愛嬌だ。 「うんっ!悟浄に教えてもらいながら作ったんだけど・・・」 どう?と三蔵を見上げる悟空。 自分のためではなく、恋敵のために作っているあたり業腹であるが・・・・・。 「・・・・悪くは、ない」 きら〜んと喜びに輝く悟空の顔。 ・・・・・・まぁ、よしとしよう。 胸中で思う三蔵だったりする。 「相変わらず仔猿ちゃんには甘いねぇ〜」 ガウンッガウンッ!! 「ってめぇっ!危ねーだろうがっ!!」 「うるさいっ死ね!!」 「二人とも・・・・」 悟空がデッドヒートする二人に口を挟もうとするが聞く耳を持つような両人ではない。 「それはこっちのセリフだぜっ!」 「・・・コロス!」 「二人とも・・・・・邪魔するんだったら出て行けよっ!」 怒れる悟空は無敵だった。 「・・・・どうして、二人でそんなところに立っているんですか?」 そろそろいいだろう、と帰って来た八戒は家の入り口の前にお互いそっぽを向いて 立っている二人に疑問の視線を向けた。 「・・・追い出されたんだよ、悟空に」 「おや、悟浄もですか。で、三蔵は?」 「・・・・・・ふん」 どうやら三蔵も追い出されたらしいと検討をつける。 「三蔵まで追い出すなんて、いったい悟空は何をしているんですか?」 「・・・・・・・・お前、マジわかんねぇわけ?」 「???何かありましたか?」 「・・・・・自分のことには鈍いんだな・・・」 「・・・・よくわかりませんが、そろそろ入りませんか?それともまだ駄目なんでしょうか」 「ああ、そろそろいいんじゃねぇか?」 コンコン。 「悟空、入ってもいいですか?」 「ん〜〜〜〜〜・・・・・いいよっ!」 「・・・・許可ももらえたようですし、入りましょうか」 「意義なーし」 「三蔵もどうぞ。寺院と違って少々手狭ですが・・・」 「構わん」 「・・・・一応、俺の家なんですけど・・・・」 もちろん、そんな悟浄の抗議など誰も聞いていない。 「はいっ、八戒はここに座って!」 エプロン姿の悟空が上座の椅子を引いて、ここっここっと八戒の手を引く。 「いったいどうしたんですか、悟空。それにその格好は・・」 「へへ、似合う?」 「ええ、とてもよく似合っていますが・・」 困惑する八戒はとりあえず、椅子に座る。 残る二人は誰に言われるでもなく定位置に腰を落ち着けた。 「ちょっと待っててな!」 そう言うと悟空はぱたぱたと走ってキッチンへ走っていく。 「ん〜・・何でしょうねぇ、まさか悟空がごちそうしてくれるとか?」 まさか・・・と八戒が笑う。 そのまさかなのだが・・・・と煙草を口にくわえる三蔵と悟浄。 「よいしょっ・・と」 キッチンから悟空が顔だけをのぞかせる。 「八戒は目、つむってて!」 「?・・・はい」 わからないままも、悟空の言うとおり目をつむる八戒。 このあたりが三蔵とも悟浄とも違う。 「まだだからねっ!」 何やらテーブルの上に置かれている。 どすんっという音が示すようにかなりの重量なものらしい。 「まだだよっ!」 −ちょっと三蔵、ライター貸してよっ-・・・と声が聞こえる。 ・・・・・ライター??? 「まだ!」 しゅぼっと音がして・・・・蝋の匂い? 「ん、よし出来たっ!いいよ、八戒。ゆっくり目開いてv」 漸くの悟空からの許しの言葉に八戒は言葉通り、ゆっくりと目をあけた。 目に映ったのは・・・・・・・・・・・・・・・巨大なケーキ・・・・・・らしきもの。 そして。 「誕生日おめでとう!八戒!!」 あふれんばかりの悟空の笑顔と祝福。 「あ・・・・・」 そこで聡い八戒にしては珍しく今日が自分の誕生日だったと思い出した。 「・・・ありがとうございます・・」 半ば呆然として、笑顔を浮かべることも忘れて八戒はこたえた。 けれど、じわじわと心の中にともる光。 暖かさ。 「ありがとうございます、悟空」 心から。 笑顔を浮かべてあらためて悟空にむけた。 「へへ。良かった、喜んでもらえて」 「ええ、本当に嬉しいです。これも悟空が作ってくれたんですか?」 「そうだよっ!ちょっと悟浄に手伝ってもらったけど・・・」 「そうですか、ありがとうございます。悟浄」 「あ、いや・・・まぁ」 直な感謝の言葉にそっぽを向く悟浄は照れている。 「じゃ、蝋燭消してっ!」 わくわく、と悟空は手を握り締めて八戒が蝋燭を消すのを待っている。 その様子に苦笑すると八戒はすうっと息を吸い込み・・・・・・・ふぅぅぅと吐いた。 「ハッピバースデーッ!八戒!!」 「おめでとさん」 「・・・・・ふん」 |
たくさんの祝福の言葉 その全てが 自分の生を許してくれる ・・・ありがとう 「ありがとうございます」 |
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■あとがき■
21日には間に合わないかも・・・・
眠たい・・・眠たい・・・とにかく眠たい。
でも(・・?)
八戒、おめでとう!!