作: レイジー様






・・・・今はまだ、草木も眠るうしみつ時・・・・昆婪の城ではある計画(?)が実行に移されようと
していた。


紫鴛「是音,是音、いつまで寝てるんです。起きてください。」
是音「・・・・・ZZZ」
紫鴛「・・・・仕方ありませんねぇ・・・(と言って鞭を取り出す)」  

 びゅんっ!・・・バシィッ!!!

是音「ぎゃあああああああっっ!!?」
紫鴛「(鞭をしまって)・・・おはようございます,是音。」
是音「おはようって・・・まだ夜じゃねーっか!一体なんなんだッ!?」
紫鴛「おや?焔から聞いていないのですか?今日は『ホワイトデー』なんですよ?」
是音「ほ・・・ほわいとでぇ?」
紫鴛「そうです。だから三蔵達の邪魔が入る前に孫悟空を頂いてしまおうという訳です。」
是音「そういや,貰ったなぁ・・・・チョコレート(汗)、でもなんでこんな夜遅くに行く必要が
あるんだ?」
紫鴛「夜遅くといってもそろそろ朝方になる時間です。それに,他の人達が起きてる時に来てもムダな争いをするだけですし。」
是音「・・・・それは有り得るな。」
焔「是音、紫鴛、そろそろ行くぞ!」
紫鴛「焔も呼んでいることですし、はやく着替えてきて下さいね、是音。」
是音「へーい・・・・」



ホワイトデーDeys〜焔一行の場合〜



皆すっかり寝静まっているので以外にあっさりと焔達は悟空を頂くことに成功した。
悟空が起きた際、またひと騒動起こったのだが時間のつごう上この辺は省いて、とりあえず
デートへ行くことに決まったのだった。
そして場所はとある街の服屋さん・・・・。
悟空「・・・なぁ、焔」
焔「?どうした,悟空。」
悟空「この格好って・・・俺には似合わないよ」
焔「なぜだ?とてもよく似合ってると思うが・・・。」
悟空「だってっ!これどーみたって女みたく見られるじゃんっっ!?」

デートのためと言って焔が悟空に着せた服,それは女の子向けの真っ赤なミニの
チャイナ服(下は動きやすいスパッツ)そして頭には額の金鈷を隠す様に巻かれ綺麗に
結ばれたリボンという見る人によっては女の子にも見えなくも無い可愛らしい格好だったのだ。
しかし、可愛い顔をしていても悟空も立派な男、こういう服を着せられてはやっぱり抵抗して
しまうものだ。

悟空「やっぱこの服脱ぐ!」
焔「まあそう言うな悟空,今日一日だけでいいんだから。」
悟空「でもぉ・・・・」
焔「・・・ご馳走,食べたくないのか?」

ピクッ!!

悟空「ご馳走!?」
焔「ああ、今日はバレンタインのお返しをする日だからな。」
悟空「『お返し』?」
焔「先月、俺(達)にチョコレート渡しただろ?」
悟空「うん、確かバレンタインって大好きな人達にチョコをあげる日だったもんな。」
焔「だから、今日はそのお返しとして好きなものをおごってやろうと思ってな。」
悟空「ヘぇー。でも、いいのかなぁ・・・?」
焔「もちろん。でもそのためにはその服を着て俺とデートしてもらわないと・・・。」
悟空「(しばらく考えて)・・・本当に,今日一日だよな?なら、いいよ。」
焔「本当か!?」
悟空「そのかわり、たっぷりおごってもらうからな!」
焔「わかってる、じゃあ俺はその服の金を払うから外で待っていてくれ。」
悟空「うん、わかった!」

焔に言われて店の外へ出て待つことにした悟空。 しばらく待っていると・・・・、
野郎1「そこの可愛いお嬢ちゃ〜んっ♪」
野郎2「俺らと遊ばない〜?」
こいつ等の言う『お嬢ちゃん』とは悟空のことである。が、当の悟空はまったく気づかない。
まあ『お嬢ちゃん』ではないのだから当然だが。
野郎1「・・・」
野郎2「・・・シカトしてるッスね」
野郎1「可愛いだけになかなか手強いな・・・」
それでも懲りない野郎達は今度は悟空の肩に手を置いた。
野郎1「キミのことだよ,お嬢ちゃん。」
悟空「ヘ?・・・おじさん達,誰?」
野郎達は『おじさん』発言に10のダメージを受けた(笑)
野郎1「俺達はおじさんじゃなくて、『おにーさん』。で、お嬢ちゃん1人?ヒマだったら『おにーさん』達と遊ばない?」
野郎2「何か,変態みたいッスよ俺ら・・・(笑)」

「そいつは1人じゃないしヒマでもないぞ。」

突然聞こえた声の方を振り向くとそこにはやけに冷たいオーラをまとった・・・・
悟空「焔!」
野郎1「いっいきなり出てきておどかすな!!」
野郎2「テメェ一体何モンだ!?」 焔「俺はこいつの恋人だ。」
そう言うと焔は片手で悟空を引き寄せた。
そしてもう片方の手には何故か聖龍刀が・・・
焔「悟空があまりにも可愛いから声をかけたという気持ちは良くわかる。だが、今は俺とデートしてるんだ・・・邪魔をするな」
野郎達「ヒイイイイイッ!!!」
聖龍刀の刃を突きつけられた野郎達は「失礼しましたぁ!!」と叫びながら逃げ出した。
悟空「今の『恋人』って・・・?」
焔「デートと言えば恋人同士がすることだろ?支払いも済んだし早速出かけるか、悟空。」
悟空「え?・・・あ、うん。」
その後,2人は街で存分にデートを楽しんだ(長くなるのでこの辺も省きます) そして夕方、
宿の近くで・・・・
悟空「今日のデート、楽しかった!ありがとなっ」
焔「ああ、俺も今日はお前と過ごせて楽しかったよ。」
悟空「じゃあ、そろそろ帰るね!じゃな〜!」
そういって悟空が走り出そうとした瞬間、焔が悟空の腕をつかんだ。
悟空「・・・・焔?」
焔「・・・・・・・いや、なんでも無い。」
悟空「へ?」
焔「また、デートしてくれるか?」
悟空「・・・うん、いいよ。」
焔「じゃ、約束だ」
そう言うと焔は悟空に軽く口付けた。
すると数秒遅れで悟空の顔がみるみるうちに赤くなっていく。
悟空「・・・うん。」
顔を真っ赤にしながら悟空はゆっくり頷いた。
悟空と別れたその後・・・
焔「・・・もう出て来い、お前達」
辺りには誰もいない。
しかし焔は後ろを向いて・・・
焔「是音、紫鴛、さっさと出て来い。」
すると焔の向いた方向に2人が姿を見せた。どうやらずっと後を付いて来たらしい。
紫鴛「やはりばれてましたか、」
是音「ばれるだろー、コソコソ尾行してりゃ。だからやめとけって言ったのによぉ」
紫鴛「貴方だって楽しんでいたでしょ?」
是音「そりゃあ、そうだけど・・・。所で焔、」
焔「なんだ。」
是音「お前、アイツの腕を掴んだ時そのまま持ち帰ってベットへGo!(笑)しようとしたろ?」
紫鴛「ああ、それは私も思いました。どうしてあの時そうしなかったんですか?」
焔「やろうとは思ったんだがな・・・今日は悟空の笑顔を見てるだけで良いと、アイツと一日楽しく過ごすだけで良いと、そう思ったんだ。」
是音「・・・・セリフがクセぇなぁ・・・。」
焔「『ロマンチスト』と言ってもらおうか。」
紫鴛「ロマンチスト・・・ですか。(呆)」

この後、焔に食われずに済んだ悟空がキレた三蔵に食われたことを彼等は数日後知る事になる・・・・・。







◆あとがき◆

あっちが下品になったのでこっちは上品(?)に作ってみました。
しかし、この話の焔達かなり別人・・・(笑)






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