「青いな・・・」
「・・・そうですね」
 一つの寝具の上に二つの枕。
 そして二人の人間。









 行為の後の信長は普段の烈火の如くの気性が嘘のように穏やかだった。
 ・・・いつも。

 触れる肩は行為の名残のように温かく、日吉の心に気恥ずかしさを催させる。


「てめぇはいつまで経っても慣れねぇな」
「・・・・慣れるわけないですよ・・・・っ」
 からかうような信長の言葉に瞬間的に顔を赤くして信長を睨むと・・・・・
 そこには
 別人のように微笑を浮かべる主の姿。

「殿様・・・・」
「違うだろうが」
「・・・・・・。・・・・・・・」
「何だ、やはりサルだな。忘れたのか?」
 覗き込まれてうっと言葉につまった日吉は・・・・・・・・声に出さずに唇を動かした。


 『・・・・・・』


「聞こえねぇな」
「・・・・・・イジワルです・・・・」
「そうかぁ?至極正当な要求だと思うがな」
「・・・・・・・」
 頬杖をついて日吉を見る信長の顔には勝利者の笑みが浮かぶ。
 







「・・・・日吉」
 信長の低く艶めいた声にぞくりと背筋が震える。
 

「・・・・信長、さま・・・」
 寝所の中でだけ許される、それは日吉に例えようもない喜びと・・・・穴を掘って隠れてしまい
 たいほどの羞恥を感じさせた。

 
 そうしてうつむいてしまった日吉に信長は満足そうに笑う。

「日吉」
 腕を捕まれて抱きしめられると、組み敷かれて纏った襦袢を剥ぎ取られた。



「信長、さま・・・っもう・・・・」
「・・・『もう』?何だ?」
 日吉は先ほどまでの激しい行為で全ての体力を使い果たし、動く度に秘所に鈍痛がしていた。
 これ以上、信長と交わると明日は起き上がれないのは容易に察せられる。


「・・・・・明日からびしばし鍛えてやるぜ。体力つけるんだな」
「な・・・っ・・・・・ぁっ!」
 ニヤリと笑った信長は日吉の胸元に顔をうずめ・・・・・口づけの痕を残した。


















 枕並べて見る月は

 いつしか一つの枕で見る月に。










■ あとがき ■

この二人が揃ったらここまで静かに月見なんて
しなさそうですが・・・・
御華門のドリームということで(笑)

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