「か、勝頼様・・・っ」
「私は、女の体を知りません・・・男の体も。あなたにだけしか頼めない・・・どうか」
 
 真摯な眼差しで絡めとられた藤吉郎は、ゆっくりと押し倒されていく。

「・・・か、つより・・さま・・・」
「昌幸殿・・・」
 
 恐る恐るといった風情で、勝頼の唇が触れる。
 たどたどしく慣れない様子は信玄とは全く違う。
 信玄に慣らされた藤吉郎の体には物足りなさを感じさせるほどに・・・。

 着物の胸元をはだけ、帯を解こうとした勝頼の手をとどめる。

「・・・昌幸、どの?」
 不審そうな勝頼に構わず、藤吉郎は逆に勝頼の着物に手をかけ、はだけさせていく。
 身を起こした藤吉郎は、勝頼の膝の上に乗り、小さな手で胸をたどっていく。
 耳を近づけると、どくどくと早く脈打つ心臓の音が聞こえる。
 緊張と昂揚。

 ちろちろと覗いた藤吉郎の赤い舌が、ざらりと勝頼の胸を舐め、かりっと乳首を噛む。
 どくん、と藤吉郎の下肢に当たっていた勝頼のものが大きくなった。

「昌幸殿・・っ」

 少し腰を浮かせ、後退した藤吉郎は勝頼の帯を解き、現れた勝頼の中心に手をそわせた。
 ゆっくりと上下に動かし、亀頭を指先で刺激する。
 つぷ、と透明な精液が浮び、それを舐めとりながら、口に含んだ。

「・・・っ」
 うめき声をききながら、藤吉郎は舌を動かし解放を促していく。
「・・・まさゆ、き・・・どのっ・・・」
 口を離した藤吉郎の顔に白濁の液がふりかかる。
 20になったばかりの勝頼は元気がありあまっているようで、量も多く勢いも強かった。














 勝頼の上で快楽に目を細め、喘ぎを漏らす藤吉郎の姿はとても普段の大人しい静かさとはかけはなれ、
 艶やかで、隠微。淫らで同じ人物とは思えない。
 秘所に猛る勝頼のものを呑みこんで、腰を振る。

「あ・・・・はぁ・・・っかつ、より・・・さまっ・・・」
 
 請われるままに、狂ったように腰を打ち付ける。
 頭の中をかき回されるような快感。理性はとうに飛んでいた。

「あぁ・・っ!」
 一際激しく奥をつくと、藤吉郎は背筋をそらせ、勝頼の腹に白濁の液を飛ばした。
 そのままぐったりと勝頼へと身を伏せる。
 藤吉郎の全身に朱がのぼり、汗が伝う。

「まだ・・・ですよ、昌幸殿」
「あう・・っ」
 抜かれぬまま、固さを取り戻した勝頼のものが動き出す。
「ここまで私を煽ったのはあなただ・・・最期まで付き合って下さい・・・・・」
 ぐるり、と上し下を入れ替え、勝頼は藤吉郎の腰をつかんでゆさぶる。
 畳に爪をたて、眉をしかめ、目じりから涙を流す・・・火照った藤吉郎の顔は嗜虐欲をくすぐり、勝頼はさらに
 動きを早く、深く衝いていく。
 熱い粘膜が性器にからみつき、収縮する。

「あ・・・かつよりさま・・ぁっ・・・・く・・・・ん・・・・・あぁ・・もう・・・・っ」

 人との交わりがこれほどに快楽をもたらすとは思わなかった。
 溺れてしまいそうだ・・・と勝頼は思う。

「昌幸、どの・・・っ」
 
 呼びかけに、閉じていた目が開く。
 蝋燭の明りに照らされた琥珀の瞳が潤み、真っ直ぐに勝頼を見詰めてくる。
 
 ”・・・壊してしまいたい・・っ!”

 勝頼はその衝動のまま、藤吉郎を強く強く抱きしめ、奥を突き、精を解き放った。


「あ・・・・・ぁぁ・・っ!!」







 





 その後、勝頼が漸く藤吉郎を離したのは、夜が白みかける刻だった。