1.パラレル・ワールド 【最遊記・焔空】
「焔。今、ひま?」 忙しなく手元の書類に目を通している相手に問いかける。 「・・・暇をしているように見えるか?」 「ううん」 あっさり、そういった相手に焔はため息をついて、筆を置いた。 「どうしたんだ?悟空」 闘神の正装に身を包んだ悟空は嬉しそうに焔に近寄り、執務机の上に乗り上げると・・・ 「昼寝。付き合え」 「・・・・・」 悪戯っぽく笑う悟空。 他の者がそんなことを言おうものなら即座に叩きのめされ放り出される言葉も悟空ならば許される。 「・・・・仰せのままに」 苦笑しながら応えた焔に、悟空は破顔して抱きついた。 昼寝・・・という言葉に他意はない。文字通り、広い寝台の上に並んで『寝る』のだ。ただそれだけ。 人肌が好きな悟空は、たいてい誰かと共に寝台に入る。 「・・・・・」 茶色の長い髪を指で梳き、額に口づけを落とす。悟空に目覚める気配は無い。 これで悟空が無邪気な寝顔でもさらしていれば多少の悪戯でも仕掛けようかという気になるが、悟空の 寝顔はいつもどこか苦しげで・・・とても手が出せない。 焔に出来るのは、ただ優しく抱きしめ、少しでもその苦しみを取り除いてやることくらい。 いつか。 ・・・・・・そう、いつか。 何者にも苦しむことなく、悟空が眠れるようになるまで・・・・。 「・・・・守ろう、お前を」 厳かに誓うように、焔は目を閉じた。 |
UP待ちの長編ネタより・・・