蜜柑色の日♪
9月23日 天気:快晴 風向き:東北東
今日もいい天気だった。
風もなかなかいいのが吹いていた。
蜜柑もすくすく元気に育っている。
ただ一つ、問題がある。
それはうちの船長のこと。
そしてその取り巻きども。
今日もいつものように朝から男部屋から怒鳴り声が聞こえてきた。
壁に身を寄せ、聞き耳をたてる。
「てめぇ、何してやがるっ!!」
まずはサンジ君の怒鳴り声が聞こえた。
「あー?・・・うるせぇな、何なんだよ・・・ルフィが起きちまうだろうが」
「てめぇが隣で寝てやがるのが悪いんだろうがっ!!」
・・・どうやらゾロがルフィと一緒に寝てたのね。
「・・・・ルフィが放してくれねぇんだよ」
ゾロの声にちょっと優越感が混じっていた。
「放さねぇのはお前だろうがっ!!ルフィの肩から手を離しやがれっ!」
「・・ん~」
あ、起きちゃったのね、ルフィ。
ふふ・・・これからどうなるのかしら♪
「・・・・んっ?サンジぃ?・・・おはよぅ」
ルフィの朝の挨拶はまずサンジ君からね♪
これで機嫌も一気に上昇だわ★
「・・おい、ルフィ」
「んぁ?ゾロぉ?・・・おはよぅ~」
「・・・・・おう」
やっぱりゾロの声が前より1オクターブほど低くなってるvv
あ・・・ごそごそと衣擦れの音がする。
ルフィがベッドから下りたのね。
「ふぁぁ~、腹減ったぁサンジぃ~肉肉肉ぅぅ~っ!!」
・・・・所詮ルフィは色気より食い気だわ。
「てめぇ、朝っぱらから肉食うつもりかっ!」
「朝が一番大事なんだぞぉっ!!」
「そんなことはお前に言われるまでもなくコックの俺が一番よくわかってる。
さっさと起きてキッチンに顔出しやがれ」
「おうっ!もう出来てんのかっ!!さすがサンジだなぁっ!!」
「・・・・・まぁな」
ふふふ・・・ルフィの言葉に照れてるわね、サンジ君。
「おい、ルフィ。朝の挨拶がまだだぞ」
今にもキッチンへ駆け出して行きそうなルフィにゾロから声がかかる。
「あ、そっか!」
・・・・・・?朝の挨拶?それならさっきしたじゃない。
「ゾロ、おはよう」
チュッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいおい。
こっちの部屋まで聞こえてくるようなキスなんかしないでよっ!!!
・・・・・でも意外ね・・・・ルフィがそんなこと自分でするわけないから教えたのは
ゾロなのかしら・・・・どっちかと言えばサンジ君のほうが・・・・。
「てめぇっ!!ルフィにくだらねぇこと教えてんじゃねぇっ!!」
ガシャンッ!!!!
・・・・・・・・窓ガラスが壊れたわね・・・・サンジ君のポケットマネーから引いて
おきましょう・・・・・
「こぉのクソコックがぁぁっ!!」
ガコッ!!
・・・・・・・樽が一つ駄目になったわね・・・・ゾロに借り一つね・・・・・
「なぁ・・・・何やってんだ?俺・・腹減ったんだけど・・・・・あ!!そっか!!
サンジにやってなかったもんな、朝の挨拶!!」
チュッ
し~~~~~ンっっ。
「「おい・・・ルフィっ!!」」
「な、何だよ・・・」
さすがのルフィも二人の剣幕に押されてるわ。
「「何でそれが朝の挨拶で、こいつにしやがるんだっ!!」」
二人の言葉が見事に唱和した。
「・・・え?だってこれが朝の挨拶だろう?」
・・・・・あら、ゾロが教えたんじゃないのね・・・・・・・・・・・
「だってシャンクスがそう言ってたぞっ!!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
撃沈、ね。二人とも♪
ナミはそっと壁から身をはなした。
「ふふふ。朝から楽しませてもらったわ♪・・・でもいつも朝からやられると
ちょっと鬱陶しいのよね・・・・・・・ルフィだけ別の部屋にしちゃおうかしら・・・
まぁ、何か考えておきましょ♪」
そして、美容のための蜜柑ジュースをくいっと飲み干したのだった。