ナルトの朝は5分置きになる5台の目覚まし時計によってはじまる。 枕もとに置いた一つ目から・・・一定の間隔を置いて最後の冷蔵庫の 前のものまで。 「うぅ・・・今日もガンバるってば!」 最後に鳴り響いた冷蔵庫の前に鎮座する目覚ましを止めて、漸く半覚醒の 状態にまで目覚めたナルトは、すぐさま冷蔵庫を開ける。 そして、牛乳をぐいっと一気に飲み込んだ。 パジャマから、いつもの忍服に着替え、手ぐしで髪を適当に整えると 木の葉の額当てをぎゅっと巻く。 ろくに掃除もしないため、少々ほこりで曇った小さな鏡の向うでナルトが にやりと笑っていた。 「んじゃ!行ってきます!」 ナルト以外、誰も居ない部屋に挨拶をして、バタンッと扉は閉じられた。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@ サスケの朝は・・・・日課の座禅からあじまる。 ぴんっと張り詰めた朝の空気の中、精神統一して雑念を払う。 気が落ち着いたところで朝食の支度に取り掛かるのだ。 一人で住むには広すぎる屋敷の中、現在使われているのはサスケの部屋と 台所、居間の三部屋だけ。それ以外は放っているので油断して開くと埃に まみれることは請け合いである。 ・・・そう言えば、どこかのウスラトンカチがその埃を吸い込んでむせていたことを 思い出し、サスケの顔に知らず笑みが浮かんだ。 「・・・・・確か」 朝食はいつも牛乳と・・・偶にそれにパンがつくと言っていたナルトの言葉を 思い出した。 「・・・誘ってやるか」 いつもそれでは栄養が偏ってしまうからな、と言い訳にもならない言い訳を 自分にしたサスケは出かける準備をしながら、さていったいどんなふうに ナルトを言いくるめようかと思案するのだった。 ・・・・・どうやら、雑念は払われなかったらしい。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@ カカシの朝は・・・・・とにかく、滅法、遅い。 任務中はともかくとして、普段の生活ときたら目も当てられないほどにだらしなく 部下たちへの言い訳にはいつも苦慮している。 その日の朝もいつも通り遅く、すでに約束した時間を過ぎていた。 それでも慌てることなく身だしなみを整え、朝食を取るばかりか食後の 珈琲まで飲んでいるあたり神経の図太さが察せられるというものだ。 「今日の夢は最高だったな・・・特にあのなるとの誘う時の顔は下半身にくる ものがあった・・・何で目が覚めたかねぇ・・・」 しかもそんな不埒なことを考えている。 サスケが常日頃、『変態上忍』と言って憚らないところも頷けるというものだ。 さて、そのカカシも漸く出かける準備が整い鏡の前に立つ。 「んーカンペッキ!」 そう言って家を出たのは約束した時間を裕に一時間は越えたところ。 そして、カカシは本日の言い訳は何にしよう・・とのんびり考えながら 待ち合わせ場所に向かうのだった。 @@@@@@@@@@@@@@@@@ サクラの朝は・・・普通だ。 今までの三人に比べると涙が出るほどに普通すぎて涙が出てしまう。 だが、何か一つと問われれば・・その気合の入れ方だけは他の三人の 誰よりも凄いかもしれない。 毎朝、これでもかっっ!とばかりに磨きぬいた鏡の前で格闘すること1時間。 ようやく納得できる髪型に仕上がり、”しゃーんなろっ!”と拳を握る。 「今日こそはサスケ君とデートするわよっ!」 とすでに日課と化した決意を口にする。 残念ながら、それが果たされた試しは無いのだけれど・・・・。 それでもサクラは、くじけない。 いつかその決意が叶うまで・・サクラは鏡の前で叫び続けるのだろう。 恋する乙女は強い。何よりも。 ++++++++++++++++++++++ そして漸く7班集合。 任務がはじまった。 |
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・・・本当はサスケとナルトの日常を
描いた、くら〜〜い話になる予定でしたが
何を間違ったかコメディに(笑)
・・・書き手の気分でしょう(おいっ)