6．おまけ 【NARUTO/イタチ・ナルト】
「イタチ、前々から聞きたいことがあったんだけどさ」 「何だ？ナルトの質問にならば何でも応えよう」 「何でも？」 「そう。それだけ私に興味を持ってくれているということだから」 「・・・・・・・」 やっぱり聞くのはやめようか、とナルトの顔に浮ぶ。 「何が聞きたい？」 「・・・・・。・・・・何で暗部にいるんだ？」 先を促され諦めたように、ナルトは問うた。 それにイタチは常に無表情な顔を珍しく僅かに驚きに崩し、尋ねかえした。 「居ては不思議か？」 「うちはの次期当主がわざわざすることじゃ無いだろ」 「そうでも無い」 「どういうことだ？」 手に持っていたクナイを無造作に的に向かって投げる。 見事に真ん中へ命中した。 「私は当主にはなれない」 「・・・ならない、じゃなくて・・か」 実力不足というわけでは絶対に無い。それ以外に何か理由があるのだ。 「その通り、さすがナルト」 「・・・お前じゃないってことは・・・弟？」 「さぁ、どうだろう？」 イタチが意味深が笑みを浮かべる。 それにナルトは顔をしかめた。・・・この顔は何かたくらんでいる顔だ。 「ナルトはうちは当主は弟のサスケに務まると思うか？」 「それこそ不明だ。・・・だが、今のままなら無理だろうな・・・俺は不思議で仕方ないんだが、お前はそんな 風なのに、何で弟はあれほど普通なんだ？」 「普通・・・普通、か」 ちょっと笑いを漏らす。 確かにイタチやナルトに比べればサスケは至って『普通』だ。 比べる対象を間違っている。サスケだとて同年代に比べれば、さすが”うちは”と言われているのだから。 「お前、結構サスケのことが好きだろ？」 「そうだな。血縁の中では好きなほうだろう。だけど、ナルトには叶わない」 「・・・・・・」 「私がこの世で誰よりも好きなのは、ナルトなのだから」 「・・・・話を逸らしてんじゃねぇーよ。当主になれないってのは・・・・」 「私の気持ちを言ったまでだが。相変わらずつれない。・・・当主か」 「イタチ？」 「”うちは”当主、果たしてそれは意味あるものだろうか」 「・・・・・・・・」 イタチは遠く、虚空を見上げる。 このときのナルトには、イタチの言葉の真意ははっきりとはわからなかった。 そして、一年後。 ”うちは”はサスケ一人を残し、イタチに滅ぼされることになる。 |