春宵
‐しゅんしょう‐
4



【ATTENTION!!】
とってもパラレルです。
陽子が高校生です。一応。でも最強です(は?)
陽子を今の設定で高校生にしてみたかったんです!
ちょっとした出来心だったんです・・・・・・

以上。






 執事である景麒よりその知らせを受けた陽子の機嫌は天井知らずに駆け上った。

「本当か!?」
「このようなことに嘘をついても仕方ございません」
 興奮する陽子に対してどこまでも景麒は冷静だった。
「いつっいつなんだっ!」
「……落ち着いて下さい」
 景麒の襟首を掴まんばかりとなっている陽子を窘める。その顔には中嶋家の当主代理ともあろう方が、と書いてあるがことこれに関して控えるつもりは無い陽子だ。
「落ち着いていられるか!いつなんだっ!今から迎えに行くっ!」
「……」
 何かのスイッチがオンになってしまった陽子を止めることを景麒は諦めた。
「15時の便にてお帰りとのことです。しかし本日は……」
 アポイントメントがと続けたかった景麒だが陽子は聞いてない。
「わかった!桓魋っ!!!」
 身を翻した陽子は運転手兼護衛である桓魋の名を叫んで飛び出して行った。
「……」
 残された景麒は額に手を当て、深い深い溜息をついた。











 普段は当主代理として冷静沈着であれと己を戒めている陽子だったが、その彼女も未だ17歳の少女である。時には己の感情を抑えきれないこともあるのだ。

「元気にしているだろうか?……かれこれ一年ぶりだぞ」
 空港で待ち人が姿を現すのを今か今かと待ち構えている陽子の姿に周囲の視線が集まっている。
 普通の人間なら誰かを待っているのだろうで済ませられるが、陽子の容姿がそれを許さない。何処にいても目立つ。
 良くも悪くも。
 目的の便が到着して暫く、人の流れが収まった頃。

「楽俊っ!!」

 その姿を目に入れた陽子の声は響き渡った。
「よ、陽子!?」
 楽俊も陽子の姿を認めて目を見開く。
「楽俊っ!」
 そして陽子は駆け寄り、思いっきり抱きついた。
「っよっちょっ!?」
「お帰りっ楽俊っ!!」
 熱烈な陽子の抱擁を受けて、そこかしこから楽俊に視線が突き刺さる。
 美人に抱きつかれやがってと嫉妬混じりの視線が。
「だからっ慎みってものをだなっ!」
「だって久しぶりだしっこのくらい欧米では普通だろう?」
「ここは日本だっ」
 顔を真っ赤にした楽俊が陽子を何とか引き剥がそうとしているが、無理やり放せないので諦めるしかない。
「一年もっ一年も会えなかったんだぞっ」
「……電話とか、してただろ?」
「電話じゃ声しか聞けない」
 だんだんどこのバカップルなんだとツッコミが入りそうな会話になっている。
 しかしこの二人、付き合っている訳では無い。だって陽子にはちゃんと婚約者が居るのだから。
 普段なかなか甘えた姿を見せない陽子は楽俊にだけは思いっきり甘え倒す。それだけ陽子の中で楽俊の存在は特別なのだ。そんな相手が一年も傍に居なかったというのは、なかなかの苦行だった。
 顔を染めていた楽俊もだんだん落ち着いて仕方ないなあという苦笑を浮かべ始める。
 少し低い位置にある陽子の頭をぽんぽんと優しく叩いて、告げた。


「ただいま、陽子」
「っお帰りっ楽俊!」

















間男現る!・・の章(笑)